荻原梓のチャート一刀両断!
“ダサカッコイイ”イメージは現在のモーニング娘。にも有効か 新曲「Are you Happy?」を聞く
ダサい? カッコイイ?
6月17日に放送された『関ジャム 完全燃SHOW』で(テレビ朝日系)、現在のモーニング娘。を“黄金期”にならって“EDM期”ないし“新世紀”として紹介していたが、つんく♂曰く「最後まで方言の抜けなかった」メンバーがいた時期と比べると、現在のモーニング娘。はイマドキ感で溢れている。それは現在のメンバーそのものから発せられるオーラからも感じ取れることだろうし、そこから触発されたサウンド面についても言えることだろう。特にモーニング娘。においては、こうしたエッジの効いた楽曲をリリースし続けたことによって、今まで持っていたグループのイナタい部分は影を潜めつつある。DA PUMPの新曲「U.S.A」がハロプロに通じる“ダサさ”があるとして話題になっている(参考:DA PUMP「U.S.A.」が“バズる”理由)ようだが、“ダサカッコイイ”という従来のモーニング娘。のイメージは、ここ数年のEDM路線の楽曲ですでに刷新されているのだ。素直にカッコイイ曲をやっているのが今のモーニング娘。なのである。
……とここまで来て、自ら論旨をひっくり返すようなことをしてみる。もしかするとこの曲は“Azukita歌謡”なのではないか?
この曲におけるレゲトンとEDMを融合させたような特徴的なリズムは、「Are you Happy?」の目紛しく変化するリズムとどこか近似しているものがある。前述した「ダッ・ダッ・ダッダッダッ」をラテン方面から解釈してみると、途端に印象が変わって聞こえてくるのだ。
とすると、やはり“ダサカッコイイ”という彼女たちのイメージは今でもなお有効な認識なのかもしれない。カッコイイ曲も視点を変えればダサく聞こえる。そもそも「Azukita」は、これはこれでカッコイイ気がする……? いやもう、今の世の中はダサいもクールも存在しないのだ。あるのは真剣かどうか、それだけなのだろう。
■荻原 梓
88年生まれ。都内でCDを売りながら『クイック・ジャパン』などに記事を寄稿。
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