DA PUMP、話題の新曲「U.S.A.」が“バズる”理由 過去楽曲とグループのキャリアから考察

DA PUMP「U.S.A.」が“バズる”理由

 6月6日のリリースを前にMVが200万回再生を突破し、リリースイベントでのファンカム動画や「踊ってみた」動画がSNSを席巻しているDA PUMPの3年半ぶりのニューシングル曲「U.S.A.」。<C’mon,baby アメリカ どっちかの夜は昼間>などのパワーワードが「往年のハロプロ作品っぽい!」と噂を呼んでおり、リリースイベントにはハロプロファンも多数参加するなど、予想外の現象も生み出している。今回は改めてこの「U.S.A.」が“バズっている”理由を考えてみたい。

DA PUMP / U.S.A.

 そもそもDA PUMPは1997年にデビューした、ダンスボーカルシーンではベテランの部類に入るグループだ。現在Twitterなどに溢れているファンカム動画を見て、20年選手であるISSAの相変わらずのハイトーンボイスに驚いた人も多かったことだろう。歌い手としてのスキルの高さは、『THE WIZ ウィズ~オズの魔法使い~』(2012年)や『ロッキーホラーショー』(2017年)など、ミュージカル作品で活躍していることからも実証済みだ。さらに彼が率いる6人のメンバーも、ダンスの世界大会8連覇という前人未到の記録を持つKENZOをはじめ、それぞれが振付師やインストラクターとしても活躍する、レベルの高いラッパー&パフォーマーであることもポイントといえる。KENZOがロック、YORIがポップ、TOMOとKIMIがクランプ、U-YEAHがフリースタイル、DAICHIがLAスタイルとそれぞれ得意とするジャンルが分かれており、多彩なジャンルのショーケースのようなステージが楽しめることも特徴的なグループだ。

DA PUMP ごきげんだぜっ!〜Nothing But Something〜 【PV】

 そして「U.S.A.」が話題になったことで改めて見直されているのが、DA PUMPの楽曲の持つキャッチーさだ。過去のヒット曲のほとんどは80年代から活躍する音楽プロデューサーのm.c.A.T.が手掛けており、ファンキーなサウンド×カラッとしていてウェット感の少ないISSAの歌声と、<どきゅーん ずきゅーん胸撃つ~>(「ごきげんだぜっ! ~Nothing But Something~」)、<無理に誰かを愛そうなんて無理無理無理無理>(「if…」)、<おとなこどもも 共感の 好きっ好きっPower! いい感じ>(「Feelin’ Good-It’s PARADISE-」)といったライミングのような言葉遊び感を重視したフレーズとの相性のよさは、他のアーティストにはない魅力といえる。

Da Pump Feelin' Good It's PARADISE

 「U.S.A.」は彼らにとっては初挑戦となるユーロビートのヒット曲のカバー(原曲はジョー・イエローの同名曲)だが、昨年の“バブリーダンス”で使われた荻野目洋子の「ダンシングヒーロー」をきっかけにブーム再燃のきざしがあるユーロビートを現行のサウンドで再現したものであり、30代以上にとっては懐かしく、もっと若い世代には新鮮に響くこともヒットの一因だろう。日本語詞を手掛けているのは、DA PUMPの事務所の後輩であり、w-inds.のヒット曲を多数手掛けるshungo.。先述のハロプロ作品を思わせる“トンチキ”感を感じる人も多い歌詞だが、U.S.A.について歌うのにカタカナを多用しているレトロ感や、原曲の<cheek to cheek>部分に<地球人>と当てるなど“空耳”的センスも含め、DA PUMPの元々の持ち味である言葉遊び感を踏襲したもののようにも感じる。

DA PUMP if… 【PV】

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