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エレカシ 宮本浩次、トーク番組で見せるキャラクターの“本質” 『行列』初出演を機に考察

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 昨年デビュー30周年を迎えたエレファントカシマシ(以下、エレカシ)の宮本浩次(Vo/Gt)が、6月17日放送の『行列のできる法律相談所』(日本テレビ系)に初出演する。

エレファントカシマシ『Wake Up』(通常盤)

 「悲しみの果て」や「今宵の月のように」をはじめとした名曲の数々を世に送り出し、『25 years of the fighting men’s chronicle 劇場版 エレファントカシマシ』に登場したスピッツの草野マサムネが「日本で進化を遂げたロックバンドの完成形。『エレカシは日本のロックバンド』ではなく『日本のロックバンドはエレカシ』」と評するなど、日本のロックバンドを語る上では欠かせない存在であるエレカシ。ステージでは孤高のロック歌手として観客を沸かせ続けてきた宮本だが、バラエティ番組などのトークでは予測不能な行動や言動で多くの視聴者に大きなインパクトを残してきた。そんな宮本のキャラクターを、過去に出演したテレビ番組の様子から改めて探ってみたい。

 遡ると、宮本は『ミュージックステーション』や『タモリ倶楽部』(ともにテレビ朝日系)に出演した際のタモリとの絡みで、特異なキャラクターを一足先に垣間見せていた印象がある。頭を搔きむしり、岡本太郎のように目を見開いて全身でジェスチャーを交え、一生懸命何かを話そうとするが躊躇してなかなか前に進まない不器用さが、小説家や芸術家のようなエキセントリックさを醸すのだ。

 そんな宮本のキャラがブレイクしたのは、おそらく数多くの番組に出演していた1999年頃。その中でも特筆すべきは『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』(フジテレビ系)でのダウンタウンとのやりとりだろう。浜田雅功からは「頭を触るな!」とど突かれ、松本人志からは「なんで君はね漫談口調なのかわからん。立川談志みたいな」と指摘される。そして宮本の口癖でもある「要するに」という言葉が出ると、すかさず松本が「要するに言うな!」とツッコむ。宮本は当時30代のキレッキレのダウンタウンからバラエティの洗礼を浴びることで、トーク番組における一つのスタイルを確立したように思う。同時期に出演した『うたばん』(TBS系)では、宮本がいつも通り一生懸命話すも内容が破綻していき、石橋貴明と中居正広はツッコむのではなく、他のメンバーと話して宮本を放置するという、ダウンタウンとは違う術でイジられていたのが面白かった。宮本は音楽バラエテイ番組への出演を通して、新たな知名度を獲得していった。

 だが、そういった自身のキャラクターから距離を置くかのように、2002年頃から宮本のバラエティ番組への出演は減っていく。2017年の『宮本浩次へきくちから』(フジテレビNEXT)では『HEY!HEY!HEY! 』番組プロデューサーだったきくちPこときくち伸が、「バラエティ音楽番組で面白いキャラにしてしまって悪かった」と告げる場面があった。しかし、それに対し宮本は「ダウンタウンはストレートに話しやすかった。あんなに話しやすい人がいないってぐらい。思ってることが言える、それをみんなが笑ってる。殺伐とするようなこと言ってても彼らの一言でそれを笑ってる。衝撃的な出来事だったし、最高の時間でしたね」と振り返り、新たな世界を見たと感謝していた。

 そして、エレカシ30周年や先日発売されたアルバム『Wake Up』など、昨年から今年にかけてバンドとしても勢力的な活動が続き、様々な番組で宮本を見る機会がまた少しずつ増えている。もちろん音楽への情熱と独特なトークの姿勢は健在だ。昨年も『ワイドナショー』(フジテレビ系)で松本人志と共演し、約20年が経った今も相変わらずの鋭いツッコミが炸裂。二人のやりとりは、当時を知らない人々にも強烈な印象を残したことだろう。

 一見面白く映る話す時のジェスチャーは、コミュニケーションが得意な方ではない宮本が自分の気持ちをなんとか伝えたい一心でやっていることだが、熱いメッセージが込められた歌を一生懸命聴く者に伝えようとするステージ上でのパッションとそれは、なんら変わりはない。歌でもトークでも、何事にも実直に向き合うキャラクターこそが宮本が愛され続ける理由なのだと思う。

(文=本 手)

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