9mm Parabellum Bulletが轟かせた未来への明るいイントロ 日比谷野音ワンマンを見て

9mm『カオスの百年 vol.12』野音レポ

 後半はサポートギターが武田に変わり、新曲「キャリーオン」が披露された。「みんな一緒に行こうぜ! 俺たちと一緒に進んでくださいという気持ちを込めました」とその曲について語る菅原。今なお、メンバー4人だけでの9mm Parabellum Bullet完全復活のライブは難しいというが、それでも活動や歩みを止めることなく進んできた。サポートを迎え入れてバンドを再構築した時間は、バンドにとっての発見は少なくなかったはずだ。同時にAC 9mmや菅原と滝のキツネツキなど、新たに派生したユニットでも音楽の楽しみや深みを追求している。一筋縄でいかないこともあったと思うが、それがもう一度バンド自身や曲を輝かせる栄養にもなっているし、深度の高いサウンドを生んでいるのは間違いない。現在の9mm Parabellum Bullet、そして滝がフル出演するこの舞台で、「キャリーオン」が初披露されたのは、なんとも感慨深いものがあった。

 「もうダメかなとか思うときでも、ライブでのみんなの顔が浮かんで頑張ろうとなれた。これからも、もっとやれというエネルギーを飛ばしてください」と菅原は語り、「いけるか!」と声をあげる。終盤は「Termination」、「Talking Machine」と、どんどんクライマックスを更新していく。観客もまだまだボルテージが右肩上がりで、音とぶつかり合う。ラストに据えたのは、「新しい光」。高速のビートとギターサウンド、そして力強いボーカルがどこまでも伸び、観客も大きなシンガロングで応えた。歓声と残響が心地よい風となって、日比谷の夜にそよいだ。

 アンコールではサポートギター2人も登場して、6人編成の鉄壁のサウンドで完膚なきまでに観客に轟音を叩き込んでいった。ほかにはない最高に(音も見た目も)ダイナミックで、グッとテンションが上がる今の9mm Parabellum Bulletでしかできないステージだろう。

(取材・文=吉羽さおり/写真=西槇太一)

■セットリスト
9mm Parabellum Bullet自主企画『カオスの百年 vol.12』
5月27日(日)東京・日比谷野外大音楽堂公演

<AC 9mm>
01.Answer And Answer
02.Heart-Shaped Gear
03.Psychopolis
04.Battle March
05.荒地
06.星に願いを
07.ハートに火をつけて
08.太陽が欲しいだけ

<9mm Parabellum Bullet>
01.The World
02.Mr.Suicide
03.Lost!!
04.Supernova
05.Story of Glory
06.I.C.R.A
07.Vampiregirl
08.キャリーオン(新曲)
09.Everyone is fighting on this stage of lonely
10.生命のワルツ
11.Scenes
12.Termination
13.Talking Machine
14.新しい光

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