稲垣、草なぎ、香取による“新たなリアリティショー” 『72時間ホンネテレビ』ギャラクシー賞受賞
稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾による昨年11月2日〜5日にかけて生配信した特番『72時間ホンネテレビ』(AbemaTV)が、 第55回ギャラクシー賞のテレビ部門フロンティア賞を受賞した。 ギャラクシー賞とは、テレビ、ラジオ、CMなどの優秀作品を手がけた個人・団体を称賛する賞。なかでもフロンティア賞は、2015年に創設されたばかり。インターネットやスマートフォンの普及によって、メディアを取り巻く環境が大きく変化したことを受けて、これからのテレビを開拓していく取り組みを応援するものだ。
「過去の成功体験にしがみついているだけでは、テレビの未来はありません」 プレスリリースに記載された文面からも、このフロンティア賞のインパクトこそ、これからのエンターテインメントの可能性を示しているものだと伝わってくる。今回『72時間ホンネテレビ』 が受賞した理由として、「テレビの達人である彼ら3人がネットの初心者として多彩な企画を 通じてSNSの使い方を会得していくプロセス自体が、テレビとネットの融合を示す新鮮かつスリリングなものでした」と語られている。
3人は、番組開始と同時にTwitter、ブログ、YouTube、Instagramをスタートさせ、投稿の仕方から学んでいく姿は、それだけでもひとつのドキュメンタリー。そして生配信される番組と同時進行でつぶやかれる彼らの言葉は、今まででは考えられない全く新しいリアリティショー。「こんなことしていいの?」と思うたびに、いつの間にか出演者側の彼らも、そして視聴者側の私たちにも、テレビ界の常識やルールが染み付いていたのだと気付かされた。
大人になると、良くも悪くも価値観が確立されていく。そう考えるとテレビも1950年代生まれ。今から「新たな冒険を!」とは、少々腰が重い年代になってしまったのかもしれない。セオリー通りに、枠をはみ出さないように……と、やっていくほうが失敗は少ない。だが、挑戦なき現状維持は退化の始まりではないのか。バカにされてもいい、と勇気を出して一歩を踏み出したのが、まさに新しい地図であり、『72時間ホンネテレビ』の本質だったように思う。
何歳になっても新しいことに挑み続けること。うまくいくかわからないけれど、面白そうだからやってみようよと、仲間を集めること。「彼らの姿に惹きつけられ、これまでSNSとは縁遠かった多くの一般視聴者が従来のテレビとは異なる番組参加の楽しさに気付かされた点でも画期的な番組になりました」と今回評価されたのも、その点だ。