新しい地図がネットもテレビも面白くする? レギュラー番組『新しい別の窓』放送決定に寄せて
香取慎吾の誕生日イブ、1月30日夜11時から72分間にかけて、『72Hunもうちょっとテレビ ~香取慎吾バースデー特番~』(AbemaTV)が生放送された。大きな話題を呼んだ11月の『72時間ホンネテレビ』、年初の『27Hunホンノちょっとテレビ』、そして『72Hunもうちょっとテレビ』……香取、草なぎ剛、稲垣吾郎がインターネットテレビに登場したのは、これで3回目。 毎回、生放送ならではのハプニングもあるが、それも含めて同じ時間を共有しているライブ感がたまらない。視聴者のコメント欄を見れば、 同じように楽しみにしていた人がこんなにもいるのだとワクワクする。まさに、ここは彼らにとっての新たな遊び場だ。
そして4月1日からは、この楽しい遊び場が毎月開催されることになった。毎月第1日曜日に7.2時間の生放送レギュラー番組『新しい別の窓』がスタートするのだ(初回は4月1日午後5時から )。これぞ、前人未到の挑戦。長年、地上波テレビの最前線を走ってきた彼らならではの“魅せる力”が、インターネットテレビの可能性を広げていく。それにともなって地上波テレビも何か変わっていくのかもしれない。そんなメディアの転換期、というショーを見せてくれているようだ。
「“伸びしろ”がなければ、リスクを負えないんですよ。リスクがあってこそ、リターンがあるので」とは、AbemaTVをテレビ朝日ともに率いるサイバーエージェント社長、藤田晋の言葉(参照:ハフィントンポスト)。サイバーエージェントの2017年度通期連結決算が発表された際 、AbemaTVの赤字は209億円に上った。それでも“何かおもしろいことができるんじゃないか”と、全力で畑を耕している時期なのだと語る藤田。繋がるネットの良さを持ちながら、地上波テレビの劣化版とならない、新たなネットテレビを作っていく。そのためにも、視聴者が「見たかった」「おもしろい」と感じるレギュラー番組が必要だと続けた。
その先陣を切るのが、新しい地図の3人だ。もちろん彼らにもリスクはある。SNSをスタートしたことにより、リアルタイムで自分の言葉が拡散される怖さ。長時間の生放送となれば、無防備な素の部分がさらけだされる厳しさ……だが、彼らはそのリスクを取ってでも、 まだ誰もやったことがないエンタメを見せたいという決意があるのだ。そして、これまで以上に人間性で勝負していく覚悟も。
そんな彼らの起こす変化は、私たち視聴者のスタイルも変えていくだろう。テレビから一方的に情報を受け取るだけではなく、自ら番組に参加していくというスタイルだ。『72Hunもうちょっとテレビ』でも、コメント欄で視聴者同士のコミュニケーションが取られているのが印象的だった。途中から見に来た人に状況を説明して仲間に入れようとする人、草なぎの自由な発言にツッコミを入れる人、それに同意して盛り上がる人……。そして、放送終了時には「みなさん、またね」という言葉が多く見受けられた。