TEEN TOP、少女時代などのメンバーも ラッパー×アイドルのコラボ活発化するK-HIPHOPシーン

 ヒップホップが流行して久しい韓国。2000年代に入ってから長い時間をかけてじわじわとその地位を確立していった「韓国ヒップホップ」は、2014年に放送されたラップ・サバイバル番組『SHOW ME THE MONEY』のシーズン3をきっかけに大ブレイクを果たした。それから早4年。韓国におけるヒップホップはブームの枠を飛び越え、今やひとつのユースカルチャーとして定着している。

NIEL × JUSTHIS「What’s good?」

 その人気の頂点を迎えた2015~2016年には、ヒットチャートの上位をヒップホップが占めるのが常だった。今は若干落ち着いたとはいえ、本稿を執筆している2018年4月現在も、トップ10にヒップホップが3曲ランクインしている。ラップに特化したテレビ番組は増え続け、ラッパーがファッション誌のグラビアを飾り、食料品等のCMに出演し、大々的なワールドツアーを敢行している。

 ところで韓国の音楽シーンは、元々メジャーとアンダーグラウンドの垣根が低い。どちらかと言えばアメリカに似ており、“韓国版 Chance The Rapper”とでも言うべきか、インディペンデント・アーティストの楽曲がチャートインすることもしばしばある。さらにこれだけヒップホップが人気ともなれば、アイドル産業がラッパーに目をつけるのは自然の流れだったと言えよう。

 かくしてヒップホップシーンのみで活動するラッパーと、メインストリームで活躍するアイドルによるコラボレーションは、瞬く間に増えていった。日本の音楽シーンではなかなか見られないであろうそんな事例をいくつか紹介したい。

NIEL × JUSTHIS「What’s good?」

 まずは2017年にリリースされたこちらの曲から。アイドルグループTEEN TOPのNIEL(ニエル)と、実力派の若手ラッパーJUSTHISによるトラック「What’s good?」だ。

[MV] NIEL, JUSTHIS(니엘 (NIEL), 저스디스) _ What’s good?(잘 지내?)

 TEEN TOPは2010年にデビューしたボーイズグループで、その名の通りデビュー当時はメンバー全員が10代だった。グループのメインボーカルとリードダンサーを務めるNIELは、このダンサブルなソロナンバーで自身の持ち味を最大限に発揮している。一方、JUSTHISは圧倒的にスキルフルなフロウを武器とし、強気なラップで他のラッパーたちをディスすることも厭わない生粋のラッパーだ。常にトレンドから一定の距離を置いてきた彼だが、この曲によって大衆的なサウンド上でも自身のカラーを失わずに表現できることを証明した。

TaeYeon × Verbal Jint「I」

 次に紹介したいのは、少女時代のTaeYeon(テヨン)と“King of Flow”と称される重鎮ラッパー、Verbal Jintによるコラボレーションだ。

TAEYEON 태연 ‘I (feat. Verbal Jint)’ MV

 日本でも相当の知名度を誇る少女時代。その中で最も歌唱力が高いとされているのがTaeYeonだ。この「I」という楽曲は、彼女のソロ作品として2015年にリリースされた。切なさと壮大さが調和したブリットポップ系のナンバーで、TaeYeonの伸びやかなボーカルとVerbal Jintの優しくも力強いラップが美しく絡み合う。Verbal Jintは2000年頃、韓国語ラップにおけるライミングの基礎ルールを作り上げたうちのひとりだ。その美声を生かしてCMナレーションの仕事もこなすなど、まさに声のプロフェッショナルである。後日談として、この曲がリリースされた少し後、今度はVerbal JintのアルバムにTaeYeonがフィーチャリングのお返しをした。

Verbal Jint (버벌진트) – 세상이 완벽했다면 (Feat. 태연 of 소녀시대) [OFFICIAL MV]

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