関ジャニ∞を“存在感”で牽引してきた渋谷すばる グループ脱退の決断に思うこと

 と言っても、渋谷がアンチアイドルだったわけではない。他のメンバーに比べ、ファンサービスが少ないと言われることも多いが、コンサートでトロッコに乗ればファンに手を振ることも多々あり、「歌うのに必死で手を振れない」という渋谷の名言も聞く。さらに、映画『味園ユニバース』でのメディア出演時や、ソロライブのMCで「“関ジャニ∞”の渋谷すばる」と名乗っていたことを考えると、グループのことを心から大切に思っていたことがうかがえる(メンバーとの仲の良いやり取りを見ていれば言わずもがなだが……)。ファンに対しても、「まだまだ一緒に年をとっていけたらと思っています。一緒に素敵なおっさん、おばはん目指して一緒に生きていってくれたら」(『十祭』MCより)と愛情を見せる。確実に彼の心には、ジャニーズアイドルである誇りがあったと思う。

 彼の心の内は当人でなければ分からないが、記者会見の迷いない表情を見ると「音楽で生きていく」という言葉に嘘はないはずだ。36歳の男性が今から新たにチャレンジすることはとても素晴らしいこと。まだ寂しさは拭えないが、我々も渋谷の決断を受け入れて背中を押すべきなのだろう。大きな決断した彼は、必ず再び我々の前に姿を表してくれる。その時は、“アーティスト・渋谷すばる”個人として応援していきたい。

(文=高橋梓)

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