関ジャニ∞ 大倉忠義、脱退決めた渋谷すばるへの“本音” 会見前ラジオでの発言から考える

「いや、もう自分の好きなことやったらいいと思うよ。1回の人生なんだから」

 関ジャニ∞の大倉忠義とミュージシャンの高橋優がパーソナリティを務めるラジオ『オールナイトニッポンサタデースペシャル 大倉くんと高橋くん』(ニッポン放送)。4月14日深夜の生放送で、大倉は転職に悩むリスナーに先のような言葉を贈った。翌日に渋谷すばるが関ジャニ∞を脱退、ジャニーズ事務所の退所を発表する会見を控えていた大倉が、どんな気持ちで語ったのだろう。想像すると心がきゅっと締め付けられる。

 大倉は、関ジャニ∞に最後に加入したメンバーだ。「リズム感があるから」と安田章大、丸山隆平からドラムに推薦。社長から「もし1カ月でダメならもうひとりドラムのできるジャニーズJr.を入れてツインドラムにする」と条件を出された大倉に「チャンスやで」と背中を押したのが渋谷だった。「お前が努力して大倉ひとりでええってなったら、お前の勝ちやで」その励ましの言葉が、大倉の中で大きな支えになったと語っている。

 2002年には安田、丸山を含めて4人で“すばるBAND”を結成し、関ジャニ∞のコンサートでも演奏を披露。2006年には、“渋谷すばるwith大倉BAND”としてもライブを開催した。「(すばるくんは)ようドラムの脇に来てくれたな。言葉ではなく、目や空気で想いを伝える……そういうコミュニケーションがめっちゃ気持ちよかった」。関ジャニ∞としてドラムを叩くことでチャンスを掴んだ大倉は、グループありきの自分という“グループ至上主義”を確立させていく。関ジャニ∞のドラム=自分の居場所。その強い信念があったからこそドラムの腕を磨き、いつしか音楽にストイックな渋谷が「大倉のドラムで歌うのが1番気持ちいい」と言うほど、関ジャニ∞の土台を支える存在になっていった。

 「お前が大人になるにつれ、俺は子供になっていくからな!」とは、成長した大倉に対して渋谷が放った言葉だ。過去には自動車免許を取った大倉が「練習したい」と渋谷を誘い、旅行に出かけたこともあるふたり。年下だけど長男気質の大倉と、年上だけど次男気質の渋谷。ふたりはきっとシーソーのようにバランスを取りながら、お互いに支え、支えられてきたのだろう。一方で、ソロ活動を充実させていく渋谷を、大倉は「反対ではなかったけど、やっぱり応援できる気持ちではなかった」「まずは関ジャニ∞として売れるという気持ちが凝り固まってた」「あのときはすばるくんの意思を尊重できなかった」とまっすぐに振り返ったことがある。確固たる信念を前に、大倉は決して自分を曲げることはなかった。

 そして今回の会見でも、メンバーが参加した理由を「渋谷を送り出すために」(横山裕)、「グループとしての誠意」(丸山隆平)、「門出の日という気持ちが強い」(錦戸亮)、「口下手な男が一人で立ったら心配」(村上)と語る中、大倉だけは「僕は最初イヤだったんですけど」と率直な気持ちを話した。そして、「やっぱり勝手な決断をしたすばるくんのことを嫌いになれなかったですね」「どんな発言をするのか横で聞いていたいなと思いました」とも……。グループ至上主義の大倉からしたら、きっとまだ納得はしていないのかもしれない。それでも「嫌いになれない」「想いを聞きたい」と寄り添う気持ちは、限りなく関ジャニ∞ファンの心境に近い。

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