加藤ミリヤ『I HATE YOU-EP-』インタビュー
加藤ミリヤが新作に込めた“自分らしさ”と本音 「苦しみや悲しみは音楽にしかぶつけられない」
「音楽は自分を救ってくれる」
――『Utopia』のときは普遍性を大事にしていたという話が冒頭にありましたが、「新約ディアロンリーガールfeat. ECD」以降はご自身の中でヒップホップやR&Bへの揺り戻しが起きていて、それで彼らを起用したというところもあるんですか?
加藤:それもありますね。そのシーンが盛り上がってるからだと思う。去年は特に面白いと思う人たちがたくさん出てきたから。Seihoくんもそうだし、JP THE WAVYくんもそうだし、ChakiさんのYENTOWNとか……。
――Awichとか。
加藤:そう。ChakiさんはAwichさんのアルバムをプロデュースしてるっていうことでちゃんと聴いた感じだったから。それまでYENTOWNみたいなドープな感じの世界観って、女子だからあんまりわからなかったんです。でも女性の表現になると入りやすかったし、トラックもChakiさんは他のYENTOWNのラッパーと使い分けていたから、聞きやすかったんですよね。
――Seihoがトラックを手掛けた「二人の関係」は、歌詞に関心が集まりそうな曲だと思いました。この曲はどういう思いから書いたんですか?
加藤:恋人同士のことは本人たちにしかわからないから、もう放っといてっていうことなんです。でも、これは私の話だけじゃなくて、誰にでも言えることだと思うんです。中学生でも高校生でも、「誰かと誰かが付き合ってるらしいよ」とか「こうなったらしいよ」とか「一回別れてるらしいよ」とか、どの国のどの場所でも行われているような話。二人の関係のことを、みんなヤイヤイ言いたがるけど、もううるさいなと思って(笑)。
――歌詞に<FLASH>というワードを使ったのが大胆だなと思ったんです。この言葉があることで、去年の報道を一回精算する気持ちで歌った曲なのかなとも思ったし。
加藤:まあ、そうです。沢山言いたい事はあるんだけど、それを言葉で言うのは自分の正義じゃないから、歌の中でちょっとずつ出していこうかな、という感じですね。
――そうやって自分の心情を赤裸々に書くことって、ミリヤさんが初期の頃にずっとやってたことですよね。
加藤:本当そう。これこそヒップホップ的なやり方だと思うし、今、これを書いてもスタッフは別に何も言わなかったから、ありがとうって思う。<最後のワンシーンお望み通りに>っていう歌詞も、真実は私たちしか知らないんですよ。でも、みんな勝手なことを言うし、嘘も言う。別にどう思われてもいいんです。ただ、可哀想な人になってるから、私が。そうじゃないんだよなぁ、本当は……っていうことを言いたいんですよね、私はずっと。
――Chaki Zuluがトラックを手掛けた「Don’t Let Me Down」は、どのように作っていったんですか?
加藤:もともとのデモは私がアコギで作っていてロック寄りだったんです。でも、Chakiさんとこれをやりたいなと思って渡したら、「ソッコー浮かびました」って返事が来て、すぐにトラックを付けてくれて。
――ジャズやブルース、ゴスペルを感じる曲でした。
加藤:Chakiさんのアレンジでそうなったんです。こちらからは何も言ってないんですけど、こういう引き出しもあるんだ! って思ったし、Chakiさんは本当天才だと思う。これは私も気に入ってますし、スタッフにも一番人気の曲です。
――歌詞はどんな思いから書いたんですか?
加藤:私の世代は結婚したい子たちがいっぱいいて、プロポーズを待ってる子もたくさんいるんだけれど、それをみんなストレートに表現しないんですよね。だから私も「私と結婚して」って言うんじゃなく、「私と一緒にいて欲しい」っていうふうに表現したいなと思って、そこに自分の経験を重ね合わせて書いたんです。
――<昔に誰かを愛したこと>から始まる4行は、「二人の関係」にも繋がる恋愛経験なのかなと思ったし、そういうリアルが歌われているから、この歌には説得力や深み、強さや芯があると思ったんです。
加藤:「ここまで書くんだ」っていうところまで行かないとダメだと思ってた。それに自分でもそうしたかった。自分の苦しみとか悲しみって音楽にしかぶつけられないし、ぶつけたくて音楽を始めたから。やっぱり音楽ってそういうものだなって今、すごく思いますね。音楽は自分を救ってくれるし、そこまでぶつけないとやっぱり自分が苦しい。浄化できないんです。
――このEPをリリース後、6月から『CELEBRATION』ツアーが始まります。今回のツアーはどんなものにしたいと考えていますか?
加藤:これまではアルバムを出してからツアーを回るということをずっとやってきたんですけど、今回はそうじゃないことをやりたかったんです。アルバム中心のツアーになると、どうしてもファンを中心にしたものになりがち。でも、もっと多くの人に私のライブを見て欲しいし、そのためにスタンスを変えようと思って。なので、アルバムの曲しかやらないっていうんじゃなく、ベスト感があるようなツアーをやっていきたいという狙いがあって、今回のツアーを組んだんです。
――そういうツアーだったら、アルバムに繋がる新曲の披露も期待できそうですね。
加藤:そこは期待していてください。今回のEPもそうですけど、とにかく今はいろいろトライアルな時期だと思ってるんです。いろいろ試してファンの反応を見て、それを次に繋げていきたいと考えてるんですよね。
(取材・文=猪又孝)
■リリース情報
加藤ミリヤ NEW E.P.『I HATE YOU-EP-』
発売中
初回生産限定盤(CD+DVD)¥2,370+税
通常盤(CDのみ)¥2,000+税
<収録内容>
-CD-
1.I HATE YOU(track producer : the Sknow)
2. 顔も見たくない feat. JP THE WAVY(track producer : JIGG)
3. 二人の関係(track producer : Seiho)
4. Interlude-the world-
5. 世界(track producer : RIKI)
6. Don't Let Me Down(track producer : Chaki Zulu)
-DVD-
「I HATE YOU」Music Video (Directed by PERIMETRON)
<CDショップ別購入者特典>
TSUTAYA RECORDS限定特典:オリジナルB3両面ポスター+応募ハガキ
※対象店舗:TSUTAYA RECORDS(一部店舗除く)/TSUTAYAオンラインショッピング(予約分のみ)
※応募ハガキの応募者を対象に抽選5名に加藤ミリヤサイン入りオリジナルB3両面ポスターをプレゼント。
加藤ミリヤ応援店舗特典:“I HATE YOU”オリジナルステッカーシート
■ライブツアー
『加藤ミリヤ LIVE TOUR 2018(仮)』
6月3日(日)大阪
Zepp Namba Open 17:00 / Start 18:00
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888
6月6日(水)愛知
Zepp Nagoya Open 18:00 / Start 19:00
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
6月6日(水)愛知
Zepp Nagoya Open 18:00 / Start 19:00
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
6月10日(日)東京
Zepp Tokyo Open 17:00 / Start 18:00
(問)H.I.P. 03-3475-9999
6月11日(月)東京
Zepp Tokyo Open 18:00 / Start 19:00
(問)H.I.P. 03-3475-9999
7月5日(木)北海道
Zepp Sapporo Open 18:00 / Start 19:00
(問)SMASH EAST 011-261-5569
7月7日(土)宮城
仙台サンプラザホール Open 17:00 / Start 18:00
(問)GIP 022-222-9999
7月12日(木)広島
広島JMSアステールプラザ 大ホール Open 18:00 / Start 19:00
(問)キャンディープロモーション広島 082-249-8334
7月15日(日)鹿児島
鹿児島市民文化ホール 第1ホール Open 17:00 / Start 18:00
(問)キョードー西日本 092-714-0159
7月16日(月・祝)福岡
福岡サンパレス Open 17:00 / Start 18:00
(問)キョードー西日本 092-714-0159
7月23日(月)新潟
新潟県民会館 大ホール Open 18:00 / Start 19:00
(問)サウンドソニック 076-291-7800
7月25日(水)石川
北陸電力会館 本多の森ホール Open 18:00 / Start 19:00
(問)サウンドソニック 076-291-7800
7月28日(土)岐阜
岐阜市民会館 大ホール Open 17:00 / Start 18:00
(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100
7月29日(日)静岡
静岡市清水文化会館(マリナート)大ホール Open 17:00 / Start 18:00
(問)サンデーフォークプロモーション静岡 054-284-9999
7月31日(火)京都
ロームシアター京都 メインホール Open 18:00 / Start 19:00
(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888