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THE COLLECTORSのレイジーな日曜日 Vol.1〜12ヶ月連続クアトロワンマン 初日公演レポート〜

THE COLLECTORSの快進撃はまだまだ止まらない! 12カ月連続マンスリーライブ開幕に寄せて

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 THE COLLECTORSが渋谷CLUB QUATTROに帰ってきた。2003年から恒例となるマンスリーライブ、今年はなんと12カ月連続である。デビュー30周年という節目に、晴れの大舞台・日本武道館のステージに立ち、さらにひとまわりもふたまわりもどデカくなったバンドは休むことなく快進撃を続けていくのである。

 迎えた1月21日、『THE COLLECTORS CLUB QUATTRO MONTHLY LIVE “LAZY SUNDAY AFTERNOON”』初日。ステージに颯爽と登場した古市コータロー(Gt)がゆっくりとコードを刻むと、山森“JEFF”正之(Ba)とともに「Na Na Na Na」と口ずさみ始めた。聴き覚えのあるメロディに、フロアからどよめきのような歓喜の歓声が沸き上がる。そこに古沢’cozi’岳之(Dr)が威勢良くビートを重ねると、加藤ひさし(Vo)が現れて歌い出した。12カ月連続マンスリーライブは、意外なナンバー「恋の3Dメガネ」で幕を開けた。

 意外なのは曲だけではなかった。いつもはカラフルでド派手なファッションの加藤が、今日は全身モノトーンでキメている。ボタンから何から、すべて“漆黒“のナポレオンジャケット。醸し出すミステリアスな雰囲気……そんなゴシックな姿も妙にハマっている。

「どうもみなさん、あけましておめでとうございます。『アーリー・イン・ザ・モーニング』の“PaPaPan……”のとこ、口が回らなくなっているという。これはね、要検査ですよ。新春一番のショックです」

 いつになくクールにキメていたように思えたが、口を開けば笑いを誘う相変わらずの饒舌なMC。もちろん歌も、突き抜けるようなハイトーンだって絶好調だ。自虐的に語っていた「アーリー・イン・ザ・モーニング」だって、低音から高音までの幅広い音域を自在に操る歌唱力と声量は、天才としか言いようのない業である。

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加藤ひさし
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 THE COLLECTORSの中でYouTubeの再生回数がいちばん多い100万再生、だけども南米のおじさんのカバーは500万再生、「ジレンマを抱えた曲」だと紹介された「悪の天使と正義の悪魔」。彼ららしい伸びやかなメロディとサイケデリックなサウンドがせめぎ合う狂気性は、ライブを重ねるごとに深化している。そして、最新アルバムから「That’s Great Future~近未来の景色~」を挟み、懐かしいナンバー「クルーソー」へ。coziの躍動感溢れる活き活きとしたリズムが実に心地よい。きて欲しいところにバシバシくる。今回のマンスリー開催に際し、「coziの修行を兼ねて」と言っていたが、ドラマーが変わったことで楽曲の印象も大きく変わることをあらためて実感。古い人気曲に頼るわけではなく、これまでライブであまりやっていない新旧のレアナンバーを織り交ぜたセットリストは、隠れざる名曲たちの採掘とでもいうべきか、旧譜曲を現メンバーの新たなビートで呼び覚ます、という表現こそ相応しいようにも思えた。

 そうした楽器隊の新たな側面が顕著に表れていたのは、このところのライブで恒例となっている中盤のインストだ。サイケデリック風や、ブードゥーテイストであったりと、さまざまな方向性で攻めてくるが、今宵はブルージーなジャムセッションだった。coziの巧みなドラミングにJEFFのベースが絡みつき、その上を悠々とコータローのギターが泳ぎ、ときに咆哮するように咽び泣く。真っ赤なES-335を抱えたそのシルエットにクリーム時代のエリック・クラプトンを重ねてみる。変な言い方かもしれないが、THE COLLECTORSはこうしたジャムセッションを繰り広げるようなバンドではなかった。JEFFとcoziという強力なリズム隊の加入が、ロックバンドとしての懐をさらに深くしたことは言うまでもないだろう。

 「OK、ミディアムなロックンロールを」との加藤の言葉に、これまたレアな「雨と虹」。油断する暇なく、まったく以って予想だにしないセットリストを畳み掛けていくが、演奏する彼らはいつになく伸び伸びとしていて、それを見守るフロア含め、なんとも言えないアットホームな雰囲気が会場をずっと支配している。昨年11月の中野サンプラザの際、加藤が「30周年イベント、今日でようやく終わります」と言っていたが、大盛況で30周年が終わり、肩の荷が下りて晴れやかな面持ちで迎えるこのやり慣れた渋谷CLUB QUATTROだからこそのホーム感。フロアのオーディエンスも「そうそう、この感じ」と愉しんでいるのだ。

 思い返せば、ちょうど1年前もここでライブを観ている。後輩だけど武道館先輩バンドによる壮行会3連戦、1発目の怒髪天との対バンだった(参考記事:THE COLLECTORSはいつだって“今”がいちばんカッコイイーー怒髪天との武道館前哨戦を観た )。ライブが素晴らしかったことは言うまでもないのだが、反面で若干の懸念事項があったのも事実。チケット売れ行きもあったが、「武道館が終われば燃え尽きてしまうのではないか?」そんな不安があったファンも、もしかしたらいたのかもしれない。ところがどっこい、蓋を開けてみれば、大成功の武道館の勢いそのままに全国ツアーは各地大盛況、ファイナルの中野サンプラザ公演も完売。今なお休む暇なく、こうして12カ月連続マンスリーライブを開催中。燃え尽きるどころか、ますます精力的に活動している。

「この調子だったら、さいたまスーパーアリーナできる。還暦にさいたまスーパーアリーナ!」

 30周年を経て今日のライブで得た、あきらかな手応えと良い風向きを感じとった加藤が口にした。先日、レーベルメイトであるTHE YELLOW MONKEYの東京ドーム公演を観て、「ドームをも視野に入れている」とも。ポッドキャスト『池袋交差点24時』リスナーと、先の南米人気にあやかりながらの実現に向け、などと半ば冗談話にしながらも、彼らはいたって本気だ。「イギリスがこんなに好きなのに南米」と笑いを誘い、南米ツアー開催には金が掛かる、からの「マネー」。なんだこの前振りは?! 彼らのMCはどこまでが台本でアドリブなのかまったくわからない。

 加藤がジャケットを脱ぐと、『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』のTシャツを着ていた。漆黒のナポレオンジャケットの下から、サイケデリックなナポレオンジャケット姿のビートルズメンバーが現れる、という小ネタも用意周到である。

 初期ナンバー「ロボット工場」からのラストスパート。軽快なリズムに乗せて「TOUGH(all the boys gotta be tough)」、今のTHE COLLECTORSを表すに相応しい「ノビシロマックス」と、会場はさらなる昂揚へと誘われ、熱気もまさに“マックス”に達した。そんな高鳴る胸ををそっと抑えるようかのように、コータローがルーズにストロークし始めた。そこに寄り添うように、加藤が声を合わせる。ラストはスローテンポでじっくりと聴かせるロックンロール「深海魚」だ。力強さと美しさが共存する楽曲と、貫禄と円熟味の溢れ出る歌声と演奏に、皆が酔いしれた。

      

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