E-girls「あいしてると言ってよかった」注目ポイントは? 歌詞世界・ダンス・ボーカルから紐解く
ボーカル3人の声質の違い
新生E-girlsがこれまでリリースしてきた「Love☆Queen」と「北風と太陽」は、どちらもアップテンポのダンスナンバーで、鷲尾伶菜の繊細で表情豊かなボーカルを主軸にしつつ、藤井夏恋がビターな響きの低音を、武部柚那が張りのある高音を聴かせるスタイルが目立った。そのスタイルは、ボーカル3人を要するE-girlsならではの楽曲構成とサウンドを生み出していたが、一方でもっとそれぞれのボーカルをじっくり聴き比べたいという音楽的欲求を掻き立てる作りでもあった。
「あいしてると言ってよかった」は、そんなリスナーの欲求に応えるように、音数とBPMを抑えた王道のバラードポップスの上で、それぞれの歌声の個性を楽しめるシンプルな楽曲となっている。新生E-girlsの新たな魅力を発見する意味でも、本日のパフォーマンスでは声質の違いにも耳を澄まして欲しい。藤井夏恋の艶っぽいビブラートや、武部柚那のソリッドな発声に、さらなる進化の可能性を感じるはずだ。
(文=松田広宣)