乃木坂46 桜井玲香が語る“大躍進の2017年”経たグループの今「そろそろ仕掛ける側にならなくちゃ」

乃木坂46桜井玲香が語る“大躍進の一年”

「特に与田ちゃんは変わったなと感じることが多くて」

ーー2017年は「逃げ水」で大園桃子さんと与田祐希さんがダブルセンターに初就任したりと、3期生の存在感がかなり増した1年だった印象があります。桜井さんとしては、彼女たちの成長をどのように感じていますか?

桜井:本当に勢いがすごいと思います。同じメンバーとしても、ただの可愛い後輩っていう感覚とはまた違ってきたかな。それぐらいパワーがあるし、周りのいろんな人からの期待も伝わってきますし。

ーーその成長は、特に夏のツアーを経験したことも大きかったのかなという気がしていて。それ以前の3期生は、先輩たちと交わる機会は限られていたわけですしね。

桜井:そうですね、わりと3期は3期だけで活動することが多かったですし。

ーー3期生の子たちに話を聞くと、ツアーのリハーサルで先輩たちを間近に見てすごいと思ったという意見もよく出るんですね。例えば「桜井さんがすごかった!」とか。

桜井:おー、誰だ誰だ? あとで何かあげたいな(笑)。

ーー(笑)。桜井さんから見て、特に成長著しいと感じるメンバーは?

桜井:もちろん全員頑張っているんですけど、強いて挙げるなら与田ちゃんはすごく変わったと思います。3期の子たちって「なんで?」ってぐらい、良い意味で本当に幼い子が多くて。中でも与田ちゃんと桃子は高2、高3なのに、精神年齢が相当幼いんですよ(笑)。そこがすごく可愛いし、今のひたむきな感じが2人の魅力につながっていると思って。もちろん桃子も頑張ってますけど、特に与田ちゃんは変わったなと感じることが多くて、真っ白な部分を残しつつも精神面がすごく鍛えられている気がするんです。

ーー具体的に、どういったところで感じましたか?

桜井:人前で何か喋らなくちゃいけないときかな。今回のツアーでは今まで生駒(里奈)が喋ってたような一人語りを、センターの2人(大園、与田)に任せるポイントがあって。2人ともすごく悩んでいたし、泣きながら必死に食らいついてやっていたんですけど、そういう経験からなのか、バラエティー番組に出たときも与田ちゃんはちゃんと受け答えができるようになっていて、表情も以前と比べて全然変わったなと思うんです。すごく小動物的で、話しかけるといつも「(ちょっとおどおどした様子で)はぁ~」と言って眉を八の字にする、そんな与田ちゃんに対して以前はすごく不安を感じていて。いつも困っていて、声も小さい、体も小さい、チワワみたいに震えているイメージだったから(笑)。でも、それが今は見ていても不安にならないのは、いろいろ経験を積んだことで自信もついて、意識が変わったんだろうなと思うんです。

「東京ドームがきっかけで、もっと上がたくさんあるんだと知れた」

ーー11月には念願だった東京ドーム公演も実現。桜井さん的には、今振り返るとどういう2日間でしたか?

桜井:そりゃあ、やっぱりすごく楽しかったですよ。気持ちもすごく上がったし、特別な場所だなと。けど……ライブを作る段階で、時間の制約などでどうしても諦めなければならないこと、妥協しなくちゃいけない部分も正直あって。そういう意味では、100%の自信を持って「これが乃木坂46のライブです!」と言い切れるものではなかったかもしれないけど、あのライブはあのライブで良かったと思うんです。だけど……もしチャンスがあるなら、もう一回東京ドームでライブをやりたいなというのが本音かな。

ーー例えば、ああいう大きな会場でライブを行うと、人によってはあそこが到達点になって燃え尽きてしまうこともあるかもしれないですよね。

桜井:そうですね、私もそれを心配してました。

ーーでも、終わったあとの皆さんの顔を見たら、そんな感じがまったくなく。むしろ、次に向けてその日のライブの反省をしているんじゃないかぐらいの雰囲気があったので、正直安心したんですよ。

桜井:うん、本当にそのとおりでした。メンバーとも「今これを私たちがやってしまったら、気持ち的に、もうあとは卒業しかなくない?」って話をしてましたし、スタッフさんもかなりそこを心配していましたし。やっぱりそれだけ、東京ドームでやれることがみんな嬉しかったんだと思うんです。だけど結果としては、私もそうだったんですけど、やってみたらもっと欲が出たというか。あの場のみんなが「あれもやりたいし、これもやりたい」、「ここで終わりじゃなくて、あともう何回かやりたいよね」って気持ちになっていたので、それは本当によかったと思います。

 それに、意外とみんなそれぞれに反省点があったり納得していない部分も多かったりで、「いや、まだ私たちはもっとできるはず!」という気持ちを感じたので、私もキャプテンとして「まだ大丈夫だから、もっとグループのことを盛り上げていこう」と思えたし。で、そこから良い流れで年末まで来ているので、2017年よりは2018年のほうが良い年明けを迎えられるんだろうなって、気持ちはすごく晴れ晴れとしています。

ーーきっと以前はライブ後の反省も、ただ「できない」ことに対しての悔しさだったと思うんですけど、今は「本当はできるのに、それをやれなかった」というもどかしさなのかなと。先ほど欲が出たと言いましたけど、それって確固たる自信があってこそだと思うんです。

桜井:年齢も上がったので、昔よりはしっかりしてるからこそ(笑)、いろいろ考えられるようになったのかな。

ーー僕は特に、2日目の最後のMCで言っていた「皆さんをもっとすごいところに連れて行きます」という言葉を聞いて、こんなにも頼もしいことを言える人になったんだと、感動したんですよ。

桜井:本当ですか? 私、そんなこと言ってましたか(笑)。そうですね、もっといろんな経験をしたいですよね。

ーー確かに東京ドームよりも大きい会場はまだありますし、同じくらい大きな会場は日本中にある。それに、最近は海外にも足を伸ばし始めているし、まだまだいろんな可能性があるわけですよね。桜井さんもそういう、もっとこういうことをしたいなっていうモチベーションが高まっているところなんでしょうか?

桜井:高まってます。でもそれは、また新しい目標を作ってくれたスタッフさんのおかげもあって。東京ドームでやらせてもらえて、それがきっかけでもっと上がたくさんあるんだと知れたんです。海外に進出するというきっかけを作ってくれたのもすごく大きいし、それも「とりあえず海外で」ってことじゃなくて、ちゃんと明確な目標やターゲットを考えた上でチャンスを作ってくれたので。また次も頑張ろうと先にどんどんつないでいってくれるのは、スタッフさんのおかげです。

ーーでは、乃木坂46にとってライブはこれから重要な要素になっていくと。

桜井:そうですね。たぶんここから先って、音楽業界的にもライブが主軸になっていくと思うので。以前の私たちはわからないことが多すぎて、スタッフさんに全部任せていた。もちろん、周りから求められているライブを表現できるようにしたかったし、作ってくれた人に「よかったよ」と言ってもらいたいという意識もあった。でも、6年やってきて自分たちの意思もちょっとずつ出てきて、「この曲はこうしたい」とか「ここは変えたい」とか客観的に意見を言えるようになってきたので、これからはもっとそういう気持ちをぶつけていきたいなと、最近すごく感じています。

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