Do As Infinity、『十二大戦』主題歌に見るアニメとの親和性 澤野弘之が与えた影響を紐解く

Do As Infinity、アニメとの親和性を読む

 こう考えると、Do As Infinityのアニメタイアップ楽曲は、時を経てさらに進化を遂げているのではないだろうか。もちろん、世界的に人気を博している『犬夜叉』の楽曲を何度も担当したことで海外のアニメファンからも厚い支持を受ける2人は、世界的なアニメブームが起こる以前から2004年のニューヨーク公演などを筆頭に世界各地でライブを実現させ、日本のアニメ楽曲の魅力を国外へと発信する役目も担ってきた。2017年は長年オファーを受けつつも遂に実現した初の南米4カ国ツアーを筆頭に、台湾、ジャカルタ、シンガポールでもワンマン/大型フェスに出演し、中でも初上陸となった南米では待ちに待ったファンからの熱気が凄まじいものになっていたという。

 そして、この「化身の獣」では、澤野弘之が劇伴作品で培った視覚的なイメージを連想させる楽曲/アレンジが加わったことで、映像作品との関わり方、相性が過去以上により深くなったように感じられる。もともとDo As Infinityは初期曲に海外アーティストの名前を多数引用するなど、90年代末にデビューしてJ-POPシーンでも人気を博したアーティストの中でも洋楽志向が強いバンドであり、様々な影響を取り入れることで特定の時代性におもねることのない進化を遂げてきた。それだけに、日本はもちろんのこと、海外のアニメファン/リスナーとの親和性も高い。結成20周年を目前に世界へも活動の幅を広げる今、Do As Infinity×アニメの今後も非常に楽しみだ。

■杉山 仁
乙女座B型。07年より音楽ライターとして活動を始め、『Hard To Explain』~『CROSSBEAT』編集部を経て、現在はフリーランスのライター/編集者として活動中。2015年より、音楽サイト『CARELESS CRITIC』もはじめました。こちらもチェックしてもらえると嬉しいです。

■リリース情報
Do As Infinity New Single「化身の獣」
Sound Produced by 澤野弘之
発売中

通常盤(CD+DVD)¥1,800(+税)
通常盤(CDのみ)¥1,200(+税)
初回生産限定盤(CD+DVD+GOODS)¥3,000(+税)
※GOODS:「Do As Infinity × 十二大戦 コラボ扇子」

<CD収録内容>
1. 化身の獣
2. Silver Moon
3. 化身の獣 -テレビアニメ「十二大戦」ED ver.-
4. 化身の獣(Instrumental)
5. Silver Moon(Instrumental)
※CD only盤にはBonus Track「Lovely Day」を収録

<DVD収録内容>
化身の獣 -Music Video-

Do As Infinity公式サイト

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