秦 基博、今年2作目の1位獲得! 楽曲提供、TV出演など経てさらに大きなフィールドへ
秦 基博が11月8日に発売したLIVE DVD&Blu-ray『LIVE AT YOKOHAMA STADIUM −10th Anniversary−』が、11月20日付けの総合音楽DVD•Blu-rayランキングのウイークリーで1位を獲得した。これは、5月4日に横浜スタジアムで行われた初のスタジアム単独公演を映像化した作品。当日はフルバンドに弦のダブルカルテットを従えた第一部と弾き語り主体の第二部との2部構成で行われ、デビュー10周年の集大成にふさわしいコンサートとなった。
2017年は“秦 基博”の名前をさまざまな場所で見た1年だった。前述の横浜スタジアム公演後の6月には、各チャートで1位を記録したオールタイムベストアルバム『All Time Best ハタモトヒロ』をリリース(ハリセンボンの近藤春菜が出演したCM、代表曲「鱗(うろこ)」を使ったマンガ『タッチ』とのコラボ映像も話題に)。そして、その後は楽曲提供、共作、CM出演など、彼自身の活動以外のフィールドにも積極的に関わっていたのだ。
まずはプロデュース及び楽曲提供。今年の春から夏にかけて秦は、上白石萌音の初オリジナル楽曲「告白」、D-LITE(from BIGBANG)のミニアルバム『D-Day』のタイトル曲、大原櫻子のシングル曲「マイ フェイバリット ジュエル」などまったくタイプが違うアーティストに楽曲を提供している。歌い手のイメージと声の特徴を活かしながら、秦自身のテイストを加えることで、豊かな魅力を持った楽曲へと結びつけるソングライティングのセンスは、この3曲によって明確に示されていると言っていい。またプロデューサーとしての手腕も定評があり、たとえば大原櫻子は「マイ フェイバリット ジュエル」のレコーディングに関して「『もう少しなめらかに歌ってほしい』と言われて。流れるように優しく歌うことを伝授していただきました。すごく繊細で細かいことなんですけど、曲に対する愛情を感じたし、音楽に向き合う姿勢や集中力もすごくて。本当に勉強になりましたね」(参考:大原櫻子が語る、歌と向き合う姿勢とシンガーとしての自立「自分の音楽には優しさがあってほしい」)とコメントしている。自身のオリジナルアルバム『青の光景』(2015年)を初の完全セルフプロデュースで制作した秦。そこで培ったアレンジのセンス、ミュージシャンやスタッフとのコミュニケーション能力は、他のアーティストの作品を手がけることによってさらに向上しているようだ。
福耳のシングル曲「Swing Swing Sing」の作詞・作曲(プロデュースは山崎まさよし)、クミコ、松本隆のプロジェクト“クミコ with 風街レビュー”の「さみしいときは恋歌を歌って」の作曲、さらにバカリズムとのユニット“ハタリズム”を結成するなど、共作やコラボレーションも盛んに行っている。なかでも特筆すべきは、リリースされたばかりの“ストレイテナー×秦 基博”名義による「灯り」。もともとホリエアツシが秦のファンで、「アイ」「鱗(うろこ)」を弾き語りでカバーしていたことをきっかけに実現した「灯り」の制作は、ホリエと秦がまっさらな状態でスタジオに入り、メロディ、歌詞をひとつひとつ重ねていくスタイルで行われたという。音楽のジャンル、活動のフィールドが違うホリエとのコラボは、秦にとっても大きな刺激になったはずだ。