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アルバム『Electric Trim』インタビュー

Sonic Youthのリー・ラナルド、新アプローチで挑んだソロ作を語る「一番興味があるのが歌うこと」

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 Sonic Youthのギタリストとして、ロックシーンにその名を馳せたリー・ラナルド。かつてSonic Youthが在籍した古巣の<MUTE>にレーベルを移籍して新作『Electric Trim』を発表した。プロデューサーは、スペインを拠点に活躍するラウル・レフリー・フェルナンデス。リーはフェルナンデスと1年かけて、これまで以上にスタジオワークにこだわりながらアルバムを作り上げた。ゲストには、ネルス・クライン(Wilco)、アラン・リクト、スティーヴ・シェリー(Sonic Youth)といった旧知の仲間達や、初顔合わせとなるシンガーソングライターのシャロン・ヴァン・エッテンなど多彩な顔ぶれが参加。さらに、実験的な作風で知られる作家のジョナサン・レサムと歌詞を共作するなど、サウンド面でも歌詞の面でも新たなアプローチに挑戦した本作は、彼自身が「新境地を切り開くことができた」と胸を張る自信作だ。Sonic Youthが活動休止をしているなかで、ソロミュージシャンとして充実した時期を迎えているリーに新作について話を訊いた。(村尾泰郎)

「ラウルは僕の音楽にたくさんのアイデアを投入してくれた」

ーー『Electric Trim』はニューヨークとバルセロナで制作したそうですね。バルセロナ出身のラウル・レフリー・フェルナンデスをプロデューサーとして招いた経緯を教えてください。

リー・ラナルド(以下、リー):2013年にthe Dust(2013年作『Last Night on Earth』の際にリーが結成したバンド)とバルセロナでアコースティックアルバム(『Acoustic Dust』)を作ったんだけど、その時のプロデューサーがラウルだったんだ。当時、彼とは初対面だったんだけど、すごく気が合って「またいつか一緒に仕事をしよう」という話になってね。それで2015年にラウルがニューヨークに来ることを聞いて、彼に新曲のデモを送って、ニューヨークに来た時に一緒にスタジオに入ったんだ。その時にすごく良い手応えがあったので、一緒に新作を作ることにした。それから度々ラウルはNYにやってきて、その都度、2~3週間滞在して僕と二人で懸命にレコーディングに取り組んだんだ。これまでのレコーディングのなかでも、もっとも充実した作業だったよ。そして、ミックスをバルセロナのラウルのスタジオでやったんだ。

ーーラウルからはどんな刺激を受けたのでしょう。

リー:ラウルは僕の音楽にたくさんのアイデアを投入してくれたんだ。『Last Night On Earth』は、the Dustと一緒に作り上げた“バンドアルバム”だった。the Dustと一緒に長時間スタジオに入って、アレンジも彼らと一緒に考えた。今回のアルバムはthe Dustは関わっていなくて、ラウルと一年かけてじっくりと作り上げていった。前作より、スタジオをツールとして使っているんだ。ラウルはエレクトロニックなビートやサンプリングの使い方がうまくて、そういった要素を生演奏にうまく融合することができた。すごく大変な作業だったけど、やり甲斐があったし新境地を切り開くことができたと思う。ラウルとのコラボレーションはこれからも続けたいね。

Lee Ranaldo – New Thing (Official Video)

ーー前作がバンドアルバムだとしたら、今回はスタジオアルバムなんですね。

リー:そうだね。The Beach Boys『Pet Sounds』や、The Beatles『Revolver』『Sgt. Pepper’s Lonely Hearts Club Band』とか、そういう昔ながらのスタジオサウンドにインスパイアされたよ。サウンド面というより、スタジオでアルバムを作り上げるという点にね。

ーーアルバムには様々なミュージシャンが参加しています。なかでも、アラン・リクト、ネルス・クライン(Wilco)、ラウル、そして、あなたと、ギタリストが4人もいるのが贅沢ですね。

リー:僕は主にリズムギターをプレイして、リードギターは彼らに弾いてもらったんだ。4人のギターが組み合わさることで曲ごとに様々なアプローチが生まれた。僕達はそれぞれ独自のギタープレイをするから、スタイルが重なることがなかったからね。いろんな実験をして、たくさんのテイクをストックすることができた。そして、曲の構成を詰めていくなかで、どのギターパートを使用して、どれを切り捨てるかを決めていったんだ。まるでパズルを組み立てるような作業だったよ。

ーーそのほか、シンガーソングライターのシャロン・ヴァン・エッテンがボーカルで参加していて、「Last Looks」でのデュエットは本作の聴き所のひとつです。彼女をゲストに招いた経緯を教えてください。

リー:僕は女性ボーカルパートを作るのが好きで、このアルバムは特にボーカルが大事になってくると思っていたんだ。ハーモニーも大事にしたいと思っていたから、ラウルと話し合って、二人ともが大好きだったシャロンにスタジオに来てもらえないか聞いてみたら、彼女は快く引き受けてくれて、結果的に6曲も歌ってくれた。彼女のボーカルは素晴らしかったよ。「Last Looks」をデュエットにするのはラウルの案だったんだんだけど、すごくうまくいったと思う。あのデュエットは、アルバムの他の曲にはないユニークな雰囲気に仕上がったんじゃないかな。

      

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