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BOØWYの真骨頂はライブにあり 伝説の『“GIGS” CASE OF BOØWY』を振り返る

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最強のライブバンド、BOØWY

 BOØWYが“最強のライブバンド”と呼ばれる所以は「同じ曲でも音源とライブでは印象が異なる」ということにある。家で繰り返し聴くための音源と、ライブで体感する瞬間的な心地よさを切り離して考えていたように思える。まず、ライブはテンポが早い。このテンポも決まっているわけではなく、同じ楽曲であってもセットリストの流れや前後曲との繋ぎによって異なるのだ。BPM自体が早い場合もあるが、そうした数値的な部分よりも、体感においての“テンポ感”が早いのだ。彼らが掲げ、最も大切にしていた独自の縦ノリの8ビートであり、技術だけでは語ることのできないバンドマジックである。

前曲からそのままなだれ込むため、いつになく早いテンポ感の「B・BLUE」

 そして、アレンジだ。ライブ用に巧みにリアレンジされ、ライブを重ねるごとに進化していった。音源において何本も重ねたギターのダビングや、ときに導入された打ち込み音を排除し、4人だけで作り出していく。とくに当時、“エフェクターの鬼”の異名を持った布袋寅泰(Gt.)の多種多様でトリッキーなサウンドメイクと、開放弦を巧みに利用したコードワーク、歌同様に口ずさみたくなる七音階を用いたキャッチーなギターソロ……、1本のギターだけでサウンドの幅を表現する“クレイジーギター”の神髄はライブでこそ遺憾なく炸裂する。それは、これまでツイン・ギターや、キーボードを入れた編成が多かった当時のバンドシーンにおいて、画期的なスタイルであったのだ。松井恒松(現・常松/Ba.)の直立不動のダウンピッキング、高橋まこと(Dr.)の前のめりなビートとともに、最小限の編成ながらも可能性を大きく広げたBOØWYは、その人気と同時に硬派なロックバンドのひとつのスタイルとして、シーンに広く影響を与えたのだ。

 そんな彼らの姿をあますところなく体感できたのが映像作品『“GIGS” CASE OF BOØWY』だった。サウンドやアレンジはもちろん、布袋の軽快で独特なステップや、右手を思いっきり旋回させるウィンドミル奏法……、といった“踊りながら弾く”パフォーマンスや、ヒムロックのマイクの柄を下から小指で支える持ち方、“氷室持ち”をみんなこぞって真似したのだ。BOØWYの影響で楽器を手した、バンドを始めた人は多いかと思うが、その中でも『“GIGS” CASE OF BOØWY』を見たのがきっかけだった、いう人も少なくないはずだ。ベスト盤ともいえるほど多くの楽曲が演奏された『“GIGS” CASE OF BOØWY』は、当時スコアーハウス社から発売されていたバンドスコアとともに、アマチュアバンドマンとギターキッズのバイブルであり、多くのコピーバンドを生み出していったのだ。

 今回リリースされる『”GIGS” CASE OF BOØWY -THE ORIGINAL-』。当時を懐かしむファンにとって、この伝説のライブの全貌や、再トラックダウンとリマスタリング、神戸と横浜の聴き比べなど、楽しみな要素はたくさんあるはず。加えて、BOØWY未体験な世代にも是非とも薦めたい。“誰がなんと言おうと日本で一番カッコいいバンド”、BOØWYが未だにリスペクトされ続ける理由がここにあるのだ。

■冬将軍
音楽専門学校での新人開発、音楽事務所で制作ディレクター、A&R、マネジメント、レーベル運営などを経る。ブログtwitter

      

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