HOWL BE QUIET 竹縄 × SHE’S 井上、ピアノとロックで繋がる二人が思う“グッドミュージック”

HOWL BE QUIET×SHE'S対談

HOWL BE QUIETとSHE'S、歌詞の描写の違いは?

――竹縄さんの歌詞がかなり具体的で赤裸々な内容に対して、井上さんの曲はもう少し抽象的というか。情景描写を綴ったものが多いですよね。

井上:でも、僕もインディーズ時代のアルバムは、7曲中5曲が別れた彼女に向けての歌だったんですよ。その時は俺も気持ちよくなっちゃって(笑)、「これ以上、気持ちよくなったらヤバイ」と思って方向転換した部分もありますね。まあ、自分が好きなバンドも情景描写が美しい歌詞が多いので、自然とそうなっていったところもあったのかもしれないですけど。

――「Someone New」も、別れを歌っているけどすごく達観していますよね。

井上:そうですね。諦めきっているからこそ書けた曲ですね。少なくとも、今までみたいに必死に彼女にかじりつくような歌詞ではない(笑)。「あ、無理なんですね、はい了解です」みたいな。

――ちなみに、別れた彼女に向けて曲を書くというのは、どんな気分なのでしょう?(笑)。

井上:えーっと、これはもう完全に自慰行為ですね(笑)。しかも、「この気持ちは曲として一生残るんだ」っていう絶望感もある。

竹縄:俺は、勝った気持ちになるんだよね。「曲にしたったぞ!」みたいな。「この恋愛において、最終的に何かを得ることができたのは、俺だからな」「曲を作ったというこの強さに、お前は勝てるのか?」って(笑)。

井上:僕は、それはないなぁ(笑)。何なら、「こんな曲を書かされてしまった」という、負けた感の方が強い。自慰行為ってさっき言いましたけど、「まんまと気持ち良くさせられてしまった」的な。しかも、女の子には「この曲、私のことなの」みたいにどこかで笑われてるのかなって。

竹縄:ああ、なるほどね。それは考えたことなかったわ。

――(笑)。ちなみに、「aru hikari」の歌詞はどのように出来たのですか?

井上:竹ちゃんの「サネカズラ」と同じで、3年前に自分の弾き語り用として書いた曲なんです。その時の「死生観」が表れているというか……。制作の息抜きで近所の公園にフラッと行った時、そこには各々の休日の過ごし方があって。一人で歩く若者がいれば、家族で来ている人もいる。老人夫婦も散歩していたりして、そういう一つひとつの生活に愛おしさを感じた瞬間だったんですね。皆それぞれの小さな「光」があって、その中で生きているんだなって思った時に歌詞が浮かんできた。なので、「死生観」といってもどちらかといえばポジティブな生の力が強い曲なのかな。

――HOWLの歌詞では、「Higher Climber」がとても印象的でした。<心が心でいれるように 自分嫌いな僕のこと 愛してみよう>というフレーズはグッときますね。

竹縄:ありがとうございます。この曲は、TVアニメ『DAYS』の2期オープニングソングの話があってから書き下ろしたものなんです。どの世界でもそうですけど、何かを始める時って挫折の繰り返しで。「なんでこう、うまくいかないんだろう」って思うことばかりですよね。だから、このアニメで言うところの「最下層」から始まるわけなんですけど、「最下層」なら失うものは何もないし、ただ登るだけだから強いんじゃないか? って。そんなふうに、自分を励ますように作った曲なんです。

――なるほど。ところで、お二人はどんな人たちに自分たちの音楽が届いて欲しいですか?

竹縄:自分が「サシ飲み」のつもりで書いた赤裸々な歌詞は、別に共感してほしくて書いたわけではなくて。「俺はこう思うんだよね」って発した先に、もし共感してくれる人がいるとしたら、当然それは嬉しいことではあるんですけど、どちらかといえば希望的観測に近いというか。それよりもHOWLの楽曲は、ただただグッドミュージックが好きな人に届いて欲しい。そこはシンプルですね。やっぱり自分は歌が好きで、歌に感動して生きてきたので、自分が受けた感動と同じものを、人に届けたいっていう気持ちが一番強いですね。

――今、様々なスタイルの音楽が溢れかえっている中で、竹縄さんのいう「グッドミュージック」ってなんだと思いますか?

竹縄:きっと人それぞれ定義が違うのかもしれないけど、俺にとっては多分、「ポップ」ということなのかもしれないですね。ポップスって結局、売れたものが「ポップス」じゃないですか。どんなに前衛的なことをやっても、売れればそれはポップスだし。でも、ポップっていうのはそれとは違う。歌モノでメロディが良くて、ポップなもの。アコギと歌だけでも聞けちゃう、みたいな。そういうのは僕はグッドミュージックだと思っています。そこを体現しているのが、クリス・マーティンなのかもしれない。

井上:結局はマーティン・パイセンだね(笑)。僕らもやっぱり先ずはメロディですね。「あ、なんか洋楽っぽいな」っていう感覚は大事にしているというか。洋楽のポップミュージックが好きな人にも聴いてもらいたい。洋楽好きな人って、割とそれ以外聴かない人って多い気がしていて。そういう人たちにも「おお、かっこええやん!」って言ってもらえるバンドでありたいですね。その意思の表れが、今作だと「Don't Let Me Down」なので、ぜひ届いて欲しいですね。

(取材・文=黒田隆憲/写真=下屋敷和文)

HOWL BE QUIET『Mr. HOLIC』ティザー映像

■リリース情報
Major 1st ALBUM『Mr. HOLIC』
発売:5月24日(水)
価格:初回盤[CD+DVD]¥3,500+税
通常盤[CD only]¥2,800+税

<収録曲>
1.ラブフェチ
2.MONSTER WORLD
3.ギブアンドテイク
4.にたものどうし
5.My name is…(ALBUM Ver.)
6.サネカズラ
7.PERFECT LOSER
8.Wake We Up
9.矛盾のおれ様
10.Higher Climber
11.208
12.ファーストレディー

<初回限定盤付属DVD内容>
「Wake We Up! Special One Man Live!!」@LIQUIDROOM(11曲)
「Wake We Up! Special One Man Live!!」 Document Movie
Daily DarlingMusic Video)
サネカズラMusic Video)
Higher ClimberMusic Video)

■予約/先着購入特典
★TOWER RECORDS: Mr.HOLICオリジナル・クリアチケットホルダー
★その他: Mr.HOLICオリジナル・ポスター(B3)
※一部取り扱いのない店舗/オンラインサイトあり
※特典は無くなり次第終了

HOWL BE QUIET公式サイト

SHE’S「Over You」 

■リリース情報
4th Mini Album『Awakening』
発売:6月21日(水)
価格:¥1,700(税別)

<プレオーダー受付中>
iTunes

<収録楽曲>
1.Lantern(inst.)
2.Over You ※TBS系テレビ「CDTV」6月度エンディングテーマ
3.Someone New
4.Don't Let Me Down
5.In the Middle
6.Beautiful Day  ※TBS系テレビ「王様のブランチ」6月度エンディングテーマ
7.aru hikari

<購入者特典>
『Awakening』下記店舗購入者にスペシャルポスタープレゼント
詳細はこちら

・TOWER RECORDS(オリジナル絵柄)
・HMV(オリジナル絵柄)
・TSUTAYA(オリジナル絵柄)
・その他店舗及びWEB(オリジナル絵柄)

※ポスターサイズ 420㎜×594mm
※特典は一部店舗、ECで対象外の場合あり、店舗で特典の有無を確認。
※特典は数量限定、先着順、無くなり次第終了。
※ポスターデザインは後日発表。

TOWER RECORDS
ローチケHMV
UNIVERSAL MUSIC STORE

ツアー特設サイト
SHE'Sオフィシャルサイト
SHE'SオフィシャルTwitter

▼チェキプレゼント▼ 

竹縄航太(HOWL BE QUIET)&井上竜馬(SHE'S)のサイン入りチェキを2名様にプレゼント。応募要項は以下のとおり。

応募方法

リアルサウンドの公式Twitterをフォロー&本記事ツイートをRTしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンドTwitterアカウントよりDMをお送りさせていただきます。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。

リアルサウンド 公式Twitter

<応募締切>
6月18日(日)
※好評につき、受付終了致しました。たくさんのご応募ありがとうございました!

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