Yuji Ohno & Lupintic SixとFujikochans、『ルパン三世』がキネマ倶楽部で生んだ“特別な一夜”

大野雄二バンド、キネマ倶楽部公演レポート

 ルパン音楽の生みの親・本家本元であるジャズ・ピアニスト/作曲家の大野雄二が、「ルパン三世のテーマ」誕生40周年を記念して飛びきりゴージャスな宴を催した。題して『ルパン三世コンサート~LUPIN! LUPIN!! LUPIN!!! 2017~』。

 5月14日、東京キネマ倶楽部の舞台に立ったのは、大野雄二率いるYuji Ohno & Lupintic Sixのメンバー7人と、女性3人からなるコーラス&ボーカル・グループのFujikochans。ライブで披露されるルパンナンバーと新旧『ルパン三世』アニメーション映像とのコラボによる、文字通りの特別な一夜が2年ぶりに、しかも初のスタンディングライブの形で復活したのだ。チケットは発売10分でソールドアウト。ニコ生独占生中継にも3万人ものファンが来場し、その注目の高さが伺える。

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大野雄二

 Yuji Ohno & Lupintic Sixは、全員が黒いスーツに身を包み、青いネクタイを締めて登場。これから始まる熱いステージへの前奏曲というべきオープニング・テーマから、たたみかけるように「BUONO!! BUONO!! (BUONISSIMO)」へ突入する。メインMCを担当するギターの和泉聡志が「盛り上がって、踊って、騒いでいこう!」と煽り、メンバー全員が<ボーノ ボーノ>とリフレインを歌い始めると場内から盛大な手拍子が起こる。そして和泉はオーディエンスにも歌うよう呼びかける。最初は照れや戸惑いもあったのか控えめに反応していた客席だが、和泉の煽りのうまさもあいまって、徐々に熱が加わり、しだいに大合唱に。この曲でミュージシャンと観客の距離は、早くも縮まった。

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和泉聡志

「大野雄二どぇーす!」

 ユーモアたっぷりの自己紹介に、歓声がさらに高まる。

「雄二、うれしいぞよ。Lupintic SixもFujikochansも絶好調、派手にすごいバンドになってるよ。最後までお楽しみください!」

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Fujikochans

 舞台下手、一段高くなったところにあらわれた、黒いドレスを着こなしたレディーたちにスポットライトが当たる。3月15日、大野雄二プロデュースによる1stアルバム『introducing Fujikochans with Yuji Ohno & Friends』を発表したFujikochansだ。全員がソロボーカルでもコーラスでも抜群の実力を示す逸材ばかり。ひょうきんな「Fujikochansのテーマ」で場内を和ませ、スウィング・ジャズ調のアレンジがほどこされた前述アルバム収録の「ルパン三世のテーマ」で見事なコーラスを聴かせた。

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松島啓之

 佐々木詩織がリードボーカルをとる「ラブ・スコール」では、ヒロイン・峰不二子による数々の名シーンがスクリーンに映しだされ、石川さゆりが新TVシリーズで歌った「ちゃんと言わなきゃ愛さない」をカバー、名作映画「ルパン三世 カリオストロの城」からの「炎のたからもの」では、佐々木久美のスケールの大きな歌声がフィーチャーされた。「TORNADO 2017」は、次元大介のテーマに新たなアレンジを施した一曲。鈴木央紹のサックス、松島啓之のトランペット、大野雄二のピアノが火の出るような熱いアドリブ・ソロを展開する。「シークレット・デザイアー」はルパンではなく、TVアニメ『スペースコブラ』のエンディング・テーマだったナンバー。ゆったりしたリズムにのって、Fujikochansの美しいコーラスが響き渡る。

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