『ダンスサミット“DREAM CRUSADERS”~最高の奇跡を、最強のファミリーとともに!~』レポート
東京パフォーマンスドールの“集大成”と“可能性” 中野サンプラザ公演が見せたもの
東京パフォーマンスドールが3月26日、昨年9月から行なってきたライブシリーズ『DREAM CRUSADERS』の最終公演、『ダンスサミット“DREAM CRUSADERS”~最高の奇跡を、最強のファミリーとともに!~』を東京・中野サンプラザで開催した。昨年9月にこの公演スケジュールが発表されて以降、中野サンプラザという目標は、ダンスサミット新章のファイナル公演以上の意味を持ってきた。『DREAM CRUSADERS』シリーズには、『PLAY×LIVE「1×0」(プレイライブ「ワンバイゼロ」)』や『ネイキッド』といった、過去のダンスサミットの蓄積を経たからこその洗練と引き出しの多さ、そしてグループのここまでのキャリアが宿っている。そして同シリーズ開催時期には、東名阪ツアーや1stアルバム『WE ARE TPD』リリースなど、グループの歴史に大きな厚みを加えるトピックも生まれてきた。だからこそ、現時点までの東京パフォーマンスドールの、ひとつの集大成として中野サンプラザ公演はあった。
『DREAM CRUSADERS』シリーズのライブで冒頭を飾ってきた「Stay Gold」「La La Flags!」でスタートを切ったのちに、たて続けに披露されたのは「BRAND NEW STORY」や「DREAM TRIGGER」といったシングル表題曲だ。これまでさまざまな場所でパフォーマンスし続けてきたからこそ、これらの曲にはもはや盤石の安定感がある。代表曲と呼べる作品が磨かれていくことは、このようなワンマンライブだけでなく、この先の対外的なイベントでも武器になる。メンバーそれぞれがたくましさを備えてきたことも相まって、パフォーマンスグループとしてまた一段と強くなったことがうかがえる。
また、この日のライブで目新しいアクセントとなったのが、メンバーたちによるパーカッションのパフォーマンス(「predawn」)や、ウィンドウ型のLEDを用いてのダンス(「WINDOW」)といったチャレンジだった。もちろん、メンバーにとってこの挑戦は、決してハードルの低いものではなかっただろう。けれど、そうした試みをことさらに企画として強調するのではなく、あくまでダンスサミットの一パートとして自然に流れに組み込んでゆくのが東京パフォーマンスドールの特徴であり、その姿勢にこのグループの矜持が感じられる。
「predawn」や「WINDOW」を、あくまで他の楽曲と同じくセットリストに溶け込ませていくスタイルにうかがえるように、東京パフォーマンスドールのダンスサミットは、セットリストを切れ目のない一本の流れ、もしくはストーリーとして形作ることに重きが置かれている。それは、単にMCを排したノンストップライブというだけのことではない。躍動し続けるメンバーたちを軸にして、本来ならばパフォーマンスの性質が相当に違うはずの多くの要素を、統一感をもって繋いでいく。