東京パフォーマンスドールはなぜシーンに衝撃を与えたか? 重要曲「DREAMIN’」のパフォーマンスから読み解く

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 東京パフォーマンスドールのニューシングル『DREAMIN’』が6月10日にリリースされた。2014年6月のデビュー以来3枚目のシングルとなるが、今回の表題曲「DREAMIN’」は昨年リリースされた1st、2ndシングルとはやや趣きの違うものになっている。1stの表題曲「BRAND NEW STORY」や2nd表題曲「DREAM TRIGGER」は、新生・東京パフォーマンスドールが世に放つシングルCDの顔として新たに制作された楽曲だった。それに対して、今回の「DREAMIN’」はこのグループがまだオリジナルのCDをリリースする約1年前、2013年夏からステージで披露し続けてきたものだ。つまり、最新シングル曲「DREAMIN’」は東京パフォーマンスドールの現在地を示す楽曲でありながら、活動初期から今日に至るまでの彼女たちに絶えず伴走し、すでに歴史を積み重ねてきた楽曲でもある。

 あらためて確認すれば、1990年代前半に活動していた初代東京パフォーマンスドールの活動休止から17年後、2013年に新メンバーで結成された新生・東京パフォーマンスドールは同年8月から、渋谷・CBGKシブゲキ!!を拠点に「PLAY×LIVE『1×0』」と銘打った演劇と音楽ライブの融合公演を行なってきた。このPLAY×LIVEが特徴的なのは、たとえば歌やダンスを主活動とするグループアイドルが演劇をとり入れた公演を行なうといったバランスのものではなく、演劇とライブが同等、もしくは演劇の方により比重が置かれ、また舞台効果とメンバーの身体とのインタラクションが重視された企画だったことだ。公演前半の演劇と後半のダンスサミットと呼ばれるライブ両方を通じて、彼女たちはプロジェクションマッピングやレーザーを多用した演出効果と、自らの演技やライブパフォーマンスとのセッションを行なっていく。活動初期のこの公演を通してメンバーが身につけていったのは、単にライブのみ、単に演劇のみの技術向上のみならず、映像・照明の効果と自身の身体的パフォーマンスとを有機的に結びつけるような、総合的な「上演」への意識づけであったといえるだろう。PLAY×LIVE後半のダンスサミットは、たとえば宝塚歌劇のレビューのように、一曲ごとにコンセプトをはっきりと切り分け、それぞれの楽曲に応じた演出効果を見せるものだ。映像・照明や衣装チェンジを駆使して曲の切り替えに対応して世界観を変化させ、一連の流れを組み立ててゆく。そうした特徴をもつダンスサミットは、単なるノンストップライブにとどまらない豊かさを持っていた。

 そんな充実度の高い公演を繰り返してきたからこそ、東京パフォーマンスドールがそのダンスサミットのみを切り出して本格的に今日のアイドルシーンに参入したとき、シーンに鮮烈なインパクトを与えることができたのだろう。そしてそのダンスサミットのひとつの集大成が、5月13日に行われた『ZEPP TOUR 2015春 ~DANCE SUMMIT“Best of 1×0 FINAL”~」だ。CBGKシブゲキ!!という小劇場規模から抜けだし、3度にわたる全国ツアーの各会場で展開されたパフォーマンスは、PLAY×LIVEを積み重ねてきたキャリアがあってこその地力が存分に発揮されたものだった。そして「DREAMIN’」は、それらPLAY×LIVEやZeppツアーにおいて、本編ラストやアンコールなど、ライブ終盤のハイライトを飾る楽曲としてパフォーマンスされてきた一曲である。

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