SuG、ベスト盤から振り返る10年の歩み「SuGというアートフォームの中でなら何でもあり」

SuGが振り返る10年の歩み

10年続いたのは5人のバランスが取れていることが大きい

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ーー(笑)。SuGの名前が一気に知れ渡ったのは、やっぱりメジャー6枚目のシングル曲「☆ギミギミ☆」(2011年6月15日)からですかね?

shinpei:この曲はダブルタイアップをいただいて、特に『お願い!ランキング』(テレビ朝日系)のエンディングテーマに起用されたのは大きかったですね。いろんな人たちに言われましたから。

Chiyu:“ギミギミ”というフレーズの覚えやすさやインパクトも大きかったと思うよね。街を歩いてると、「あ、ギミギミだ」って言われることもあるし。

(一同笑)

武瑠:あと、このMVって震災直後に撮影があったんだよね。原発事故の映像がTVでずっと流れてて、現場でそれを不安な面持ちで見ながら、いざ本番になったらキラキラした表情で「☆ギミギミ☆」を歌ってた。確かフォトブックの撮影も震災直後にあったんですよね。当時、震災を理由に活動を自粛するバンドが沢山いた中、僕らはちゃんと仕事をやり通したっていうことは今でも誇りに思っていますね。

SuG「☆ギミギミ☆」

ーーすごくいい話です。終了の時間が迫ってきたので少し早足でいきますね。 13枚目のシングル表題曲「SICK'S」(2015年12月16日)は?

武瑠:この曲は、復活以降でもっとも「SuGらしさ」を出せた曲、MVであるかなと。踊れる曲調なんだけど、サウンドにも歌詞にも少し毒が入ってて。でも、全体的にはポップに仕上がっているところが、インディーズ時代の「Love Scream Party」や、「sweeToxic」から受け継がれてきた「SuGらしさ」なのだと思いますね。

ーー「mad$Hip」(2011年3月9日発売のアルバム『Thrill Ride Pirates』収録)はどうでしょうか。

武瑠:この曲あたりから、原宿の若いクリエーターとどんどんコラボしながらMVを作るようになっていった気がしますね。あと、初めて執筆した小説の題材がこの曲だったので、そういう意味でも印象深いです。

ーー「Howling Magic」(2012年4月25日発売のアルバム『Lollipop Kingdom』収録)は?

武瑠:これは、初めてギターで作った曲ですね。確かエピフォンのギターを購入して、その勢いで作ったと思うんですけど、何故あの忙しい時期にギターを買おうと思ったのか全然覚えてない。活休の時も30万くらいするPRS(ポール・リード・スミス)のギターを買ったことがあって。「ニートのくせに何やってんだ」って自分で思いました(笑)。それはともかく、この曲をギターで作ったことで、初めてコード進行のこととか考えるようになったかもしれないですね。それに、自分で作った曲の中では一番好きです。

ーインディーズ・ファーストミニアルバム『I SCREAM PARTY』(2007年12月19日)に収録されていた 「Love Scream Party -Rebirth ver.-」は、「sweeToxic」や「SICK'S」に繋がる楽曲と先ほどおっしゃってましたが。

武瑠:でも、この曲の時は「衝動」で作ったとしか言えない(笑)。

masato:ほんとそうですね。バンドの初期衝動の代表曲みたいな感じ。

武瑠:「今、俺が考えうる最もポップな楽曲を作ろう」と思って書いた曲。頭の中には完成図が出来上がっていたんだけど、それをどう落とし込むかが分からなくて。バンドの力を借りて、なんとか形にした楽曲。期待通り反響も良くて、これでワンマン公演ができるようになったんですよね。

ーー「小悪魔 Sparkling」(2010年6月30日)はメジャー2枚目のシングル曲で、SuG史上初のオリコントップ10入りを果たした曲です。

武瑠:この曲、「オリコン7位に入る気がする」って予言してたらその通りになった(笑)。別に手応えがあったとかそういうわけじゃなくて、ただ何となくそう思ったんですよ。

yuji:「お告げ」ってやつ?(笑)。でも本当に7位になったからビックリしましたね。

ーーメジャー11枚目のシングル表題曲「CRY OUT」(2014年11月19日)は?

shinpei:この曲はほとんど記憶ないなあ。

Chiyu:俺もそうだな。MVの撮影現場にベースアンプを持って行ったら、床に水を撒かれたことしか覚えてない(笑)。

ーーそういう曲もあると(笑)。そしてラスト、「Smells Like Virgin Spirit」(『VIRGIN』収録)は?

武瑠:この曲は、レコーディングした直後にヨーロッパツアーへ行ったので、日本では一度もお披露目しないまま向こうで育てていったという、今までにやったことにないパターンでしたね。

ーーNIRVANAへのストレートな愛情がこもった曲ですけど、向こうでの手応えはどうでした?

武瑠:すごくありましたね。あのヘヴィなギターリフって、やっぱり万国共通なんだなと思いました。

ーーはい、これで全曲ですね。お疲れ様でした(笑)。今年は武道館公演も控えていますよね。前回のインタビューで、「武道館で絶対にやりたい」とおっしゃっていましたが、今の心境や意気込みを聞かせてもらえますか?

武瑠:この10年、いろんな思いを抱えながらバンド活動を行なってきて。活休〜復活を経て、「俺たちが今やるべきなのは武道館公演だ」と思った。なので、今までの全てをかけて挑むつもりです。

shinpei:今回、バンド結成10周年ですからね。3月からの全国ツアーも含めて、いろんな形で盛り上げていけたらいいなと思っています。

ーーでは最後に、SuGというバンドが10年続いたのは何故だと思いますか?

Chiyu:なんだろうな……。武瑠みたいなエモい奴が、メンバーの中で他にいなかったことですかね(笑)。エモいやつがもう一人いたら、絶対に衝突してバンドも終わってたと思う。5人の役割分担がうまく機能してるというか、バランスが取れているっていうのも大きいんじゃないかな。

(取材・文=黒田隆憲/写真=下屋敷和文)

■リリース情報
SuG Best Album『MIXTAPE』
発売:3月8日(水)
価格:STANDARD EDITION(CDのみ)¥2,315+税
LIMITED EDITION(CD+2DVD(マルチケース仕様))¥3,611+税
<CD収録曲>
1.gr8 story
2.R.P.G. ~Rockin’ Playing Game~
3.不完全 Beautyfool Days
4.MISSING
5.KILL KILL
6.sweeToxic
7.Vi-Vi-Vi -Rebirth ver.-
8.桜雨
9.無条件幸福論 -Rebirth ver.-
10.teenAge dream
11.☆ギミギミ☆
12.SICK’ S
13.mad$hip
14.Howling Magic
15.LOVE SCREAM PARTY -Rebirth ver.-
16.小悪魔 Sparkling
17.CRY OUT
18.Smells Like Virgin Spirit

<DVD DISC1: MV COLLECTION Part 1収録内容>※LIMITED EDITIONのみ
1.gr8 story
2.dot.0
3.小悪魔 Sparkling
4.Five Starz ~五枚目俳優~
5.R.P.G. ~Rockin’ Playing Game~
6.無条件幸福論
7.Crazy Bunny Coaster
8.NO OUT NO LIFE
9.mad$ip
10.☆ギミギミ☆
11.Toy Soldier
12.不完全 Beautyfool Days
13.Pastel Horror Yum Yum Show
14.Howling Magic
15.sweeToxic
16.fat inside horror

<DVD DISC2: MV COLLECTION Part 2収録内容>※LIMITED EDITIONのみ
1.MISSING
2.Rolling!!
3.B.A.B.Y.
4.CRY OUT
5.BLACK
6.teenAge dream
7.上海ハニー
8.SICK’ S
9.桜雨
10.Smells Like Virgin Spirit
11.KILL KILL

■ライブ情報
『3/9 SuGの日 FROM PSC』
3月9日(木)恵比寿LIQUIDROOM

『39 LIVE ADDICT chapter1 THE BEST TOUR』
3月11日(土)松本ALECX
3月12日(日)新潟CLUB RIVERST
3月17日(金)柏Thumb Up
3月19日(日)DUCE Sapporo
3月20日(月)DUCE Sapporo
3月25日(土)仙台darwin
3月26日(日)山形ミュージック昭和Session
4月14日(金)新横浜NEW SIDE BEACH!!
4月16日(日)静岡Sunash
4月22日(土)松阪M'AXA(三重)
4月23日(日)名古屋CLUB QUATTRO
4月29日(土)岡山IMAGE
4月30日(日)高松DIME
5月3日(水)宮崎SR BOX
5月5日(金)福岡DRUM Be-1
5月6日(土)大分DRUM Be-0
5月11日(木)渋谷TSUTAYA O-WEST
5月14日(日)umeda AKASO

9月2日(土)日本武道館

SuG オフィシャルサイト

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