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SuGが語る、ギリギリの“バランス感”を構築する方法「でっかい軸に立ち続けることが重要」

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 「Shut Up(=黙れ)」のスラングをタイトルとした、 SuGのセカンド・ミニアルバム『SHUDDUP』がリリースされる。本作は、今年3月にリリースされた『VIRGIN』と対になる位置付けで、「アンチテーゼ」や「アナーキズム」をコンセプトとしたバンド史上最も過激な内容となっている。例えば、ツイキャスでファンから歌詞のアイデアを募集した先行曲「KILL KILL」は、世の中のあらゆるものに「No!」を突きつけるラディカルなパンクチューン。とはいえ、その根底にはポジティブな解釈やメッセージが込められており、全てに白黒をつけようとする息苦しい世の中に風穴を開けるような、清々しさすら感じるのだ。なお、この曲のMVには、きゃりーぱみゅぱみゅアートディレクターとしても知られる増田セバスチャンを起用。ダークな中にもユーモアや親しみやすさが込められた、魅力的な仕上がりとなっている。

 いわゆるヴィジュアル系としてキャリアをスタートさせるも、様々な音楽性やカルチャーを取り入れ唯一無二の世界観を構築してきたSuG。そのモチベーションはどこから来ているのか。新作についての話はもちろん、彼らのルーツなどにも深く迫った。(黒田隆憲)

「『KILL KILL』を象徴するような“極悪”なアルバムタイトル」

20161102-sg5.jpg武瑠(Vo.)

ーー前作『VIRGIN』は、活動停止後に作った曲で構成された作品で、「ここからがスタート」という意味も込めて『VIRGIN』という名前をつけたと伺いました。今作『SHUDDUP』は、どのような経緯で生まれたのでしょうか。

武瑠(Vo.):僕ら毎年冬に、「VersuS」というコンセプトライブを行なっているんですね。激しい曲を中心にセットリストを組んだ「極悪SuG」と、ポップな曲を中心にした「極彩SuG」の二日に分けて、お客さんの声量を測り、どちらが勝ったか? という参加バトル型にしているんです。前回、初期衝動で作ったアルバムが『VIRGIN』というタイトルで、たまたま「V」だったので、今回は「VersuS」の「S」をタイトルに掲げた、攻撃的なアルバムを年内に作りたいっていう、わりと後付けのコンセプトだったんです。すでにシングル曲「KILL KILL」は出来上がっていたので、この曲を象徴するような極悪なアルバムタイトルを…と考えている時に、「黙れ」という意味の『SHUDDUP』を思いつきました。

ーー昨年末にはヨーロッパツアーを敢行し、今夏も中国、台湾、タイ、メキシコなど精力的に海外展開を広げていますが、何か手応えを感じていますか?

Chiyu(Ba.):東京と大阪でも全然ノリが違うように、やっぱり国ごとにリアクションが違いますよね。バラードを演奏している時に、いきなり風船を放り込んでくる国もあれば(笑)、紙飛行機を飛ばしてくる国もある。でも、「みんなで楽しい空間にしよう」という雰囲気は、どの国からも強く伝わってきました。

shinpei(Dr.):やっぱり、海外だとなかなか会える距離じゃないので、その分の熱量は大きかったですね。

20161102-sg7.jpgyuji(Gt.)

yuji(Gt.):メキシコの首都メキシコシティは標高2250メートルくらいのところにあるので、masato以外の全員が軽い高山病になってしまって(笑)。頭痛くなったり、気持ち悪くなったりして大変でした。

Chiyu:まるで高地トレーニングしているような気分でしたね。あれでお客さんが盛り上がってなかったら、何のために行ったんだろうっていう感じでしたけど(笑)、びっくりするくらい盛り上がったのでホッとしました。

武瑠:いろんな国へ行ってみて思ったのは、ファッションの傾向とかが国によってあまり差がなくなってきたなっていうことです。以前だったら、「ロスで火がついて、それが海を渡って日本にも入ってきて…」みたいに、流行の広がり方にタイムラグがあったと思うんですけど、今はSNSがあるから拡散スピードが桁違いに速くなっている気がします。それに、日本発のファッションやアートがどんどん増えているのも、SNSの力が大きいんじゃないかなって思います。例えば、僕らは数年前から「ストリートゴシック」というヴィジュアルテーマを掲げているんですけど、それが今ちょうど世界的な勢いで拡散していて。どこの国に行っても、みんなストリートゴシック系の格好をしていて驚きました。

ーー武瑠さんからは、音楽だけでなくアートワークを含めたヴィジュアルイメージまで、強いこだわりと美学を感じるのですが、どんなものに影響を受けてきたのですか?

武瑠:僕がもっとも影響を受けたのはアンディ・ウォーホルです。映画『ファクトリー・ガール』(2006年公開)を観て、彼のことを本格的に好きになりました。もちろん「キャンベルスープ」など有名な作品は以前から知っていましたけど、あの映画を見たことにより彼のダークな作品を知ることができて、さらにハマっていきましたね。僕らがインディ時代に出したアルバムは、アイスの缶を並べたデザインだったんですけど、それとか完全にウォーホルのオマージュでした。

ーー小説を執筆したり、映像作品の監督をしたり、ファッションデザイナーとしても作品を作ったりしているのは?

武瑠:もともと文章を書くのが好きだし得意だったので、それを活かす仕事をしたいって思っていたんですよね。中学生くらいになって、段々音楽とかファッションとかが好きになっていく中で、大槻ケンジさんがバンドをやりながら映画を撮ったり小説を書いたりしているのを知って。「そうか、そういうやり方もあるんだ」と勇気付けられました。村上龍さんも確か、小説を書きながらバンドをやったり、映画も撮ったりしていますよね。なので大槻さんの『グミ・チョコレート・パイン』と、村上さんの『限りなく透明に近いブルー』には、ものすごく影響を受けています。あとは10代の若い時に、HYDEさんのソロ公演を観に武道館へ行ったんですけど、その時の衝撃も大きかったですね。「僕もあのステージに立ちたい」って強く思って。それで、今まで自分が好きだったものを、全て融合した形でバンドをやっていこうって思ったのが、今のやり方につながっていると思います。

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