HKT48が覆す、“シングル選抜”の概念 カップリング曲のみ先行配信の意図を読む
最後に香月氏は、48グループの中でも“固定しすぎない”というありかたを模索できたグループとして、HKT48の存在を高く評価した。
「HKT48はデビュー時から、センターを務めるメンバーなど、世の中に出ていく顔を“固定しすぎない”というありかたを模索できているグループ。今回のカップリング曲の先行配信やそのメンバー構成も、そうした流れの拡大の一手と見ることができるでしょう。選抜を固定することは、グループに閉塞感を生み出す恐れがあります。HKT48は顔になるメンバーをシングルごとに入れ替えることによってそれを防ぎ、常にフレッシュなグループであり続けることができているのかもしれません。今回のシングル選抜を経て、グループが今後どのような戦略を立てていくのか、引き続き注視したいですね」
異なる印象の2曲を異なる選抜メンバーが歌唱し、異なるかたちで広めることに挑戦したHKT48の『バグっていいじゃん』。そこにあるのは、シングル選抜という“概念”にとらわれることなく、より多くの人々に楽曲を届けたいと願うチームの“執念”なのかもしれない。
(文=編集部)