ジャニーズ2016年は怒涛の一年だった……佐藤結衣 × 高橋梓が振り返る

 SMAPの解散、KAT-TUN充電期間など、衝撃的な話題から幕を開けた2016年のジャニーズ。一年を振り返ると、中堅〜若手と呼ばれるグループたちがあらゆるシーンで活躍し、存在感を発揮した一年でもあった。今回リアルサウンドでは、ジャニーズグループに関連したコラムを数多く担当している芸能ライターの佐藤結衣氏と高橋梓氏による振り返り対談を行い、ジャニーズ全体の傾向と来年への期待について語り合ってもらった。(編集部)

前向きな活動見せるKAT-TUN、NEWSのメンバー

佐藤:思い起こせば、3月にKAT-TUNを脱退した田口淳之介さんが、昨年末に脱退を発表したあたりから怒涛の年が始まっていたんですよね。

高橋:充電期間前最後の東京ドーム公演で初めてKAT-TUNのライブに行きました。Jr.もバックダンサーもバンドも一切なし、3人だけで見事にやりきっていました。

佐藤:KAT-TUNの新体制には前に進むという強い意志が感じられました。田口さんもやりたいことをやるために卒業するという印象が強かったですし。『KAT-TUNの世界一タメになる旅!』(TBS系)でしっかり別れを惜しみ、4人の絡みも存分に楽しめた。残念ではあるものの清々しい卒業だったと思います。

高橋:メンバーも最後のほうはラジオなどで自分たちの状況を完全にネタにしてましたよね。ドームライブのグッズ「充電器間」、思わず買いましたもん(笑)。

佐藤:「充電期間」の自虐ネタグッズも話題になりましたね(笑)。でも彼らにとって充電期間という選択は本当に良かったと思います。特に今年は上田竜也さんのバラエティ出演での活躍が目立ちました。

高橋:それぞれのキャラクターがさらに確立されましたよね。これまでにないグループのかたちで始動する日が今から楽しみです。

佐藤:これまで活動休止して再始動したグループってジャニーズでありましたっけ。

高橋:活動休止とは謳わずに休んでいる、というかたちはあったかもしれない。

佐藤:そう考えると、このスタイル自体が新たな挑戦だった。だからこそSMAPもそれでいいじゃないかという意見もありましたが……。SMAPは本当に残念ではありますが、もう現実を受け入れるしかないですね。

高橋:偉大なグループを失うことで、後輩グループたちの心境にも変化があると思います。特に中堅グループの今後の活躍が気になるところですが、なかでもNEWSは気になる存在。今かなりグループとしていいバランスだと思います。グループでの初レギュラー番組『変ラボ』(日本テレビ系)が始まったのが今年の4月。「Aの嵐!」(嵐の冠バラエティ番組『Dの嵐!』内おバカ実験企画コーナー)的な感じで面白かったです。

佐藤:「Aの嵐!」懐かしい! 『変ラボ』はどんなに無理な企画でも最終的にちゃんとやってのける手越祐也さんの安定感がよかったです。グループ内の役割分担がはっきりしたから団体戦に強くなったというか。NEWSはグループの危機を数々乗り越えてきた苦労がいよいよ結実してきましたよね。

高橋:小山慶一郎さんがラジオで、いつも帰ってお風呂に入る時に「あそこもう1個フォロー入れられたな」と反省すると言っていて。自分の立ち位置を強めていこうという意識の高さが素晴らしいなと。

佐藤:NEWSは自分たちのありのままの姿を見せているところにも好感がもてます。ここまで見守ってきてくれたファンに対しては、むしろそういうところを見せることはプラスだと思いますし。

高橋:私の周りのNEWS担曰く、グループに降りかかってくる試練にメンバーが立ち向かっている姿勢があるからこそ応援したい、やめられないと言ってました。

佐藤:NEWSは本当にドラマチックなんですよ。アイドルなのにいち社会人的な苦悩を味わっているというか。そして、あらゆる問題を明るく乗り越えているのがいい。ちやほやされるだけではなく、ガッツや根性が活動から見えるから、男性人気も高まっているんでしょうね。あと、Sexy Zoneも安定してきましたね。

高橋:Sexy Zoneは松島聡さんが今年は来たイメージありません? 色んな先輩に後輩力を発揮し出していて。

佐藤:元々松島さんが憧れていたHey! Say! JUMPの知念侑李さんに近い感じですよね。ジャニーズファンと同じようなファン目線でジャニーズにいるという、そういう共感性が高いキャラクターは今後も続いていくかもしれないです。『櫻井翔のジャニーズ軍VS有吉弘行の芸人軍 究極バトル"ゼウス"』 (TBS系)に出ていた時もメンバーを応援する松島さんを出演者たちが愛でているのが印象的でした。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる