Hey! Say! JUMP 伊野尾慧を指す「かわいい」の真意 “異端”なアイドルの愛し方
Hey! Say! JUMPの伊野尾慧を愛するのは、リスクを伴う。なぜなら、伊野尾はこれまでのジャニーズアイドルとは、全く異なる方向から愛でられているからだ。今までにいない存在というのは「媚びない・ブレない・ひるまない」という「3ないアイドル」だということ。これまでアイドルは、笑顔を振りまき、世間の反応を気にして、ときには意見を変えるなど、みんなから嫌われないようにするのが一般的だった。
だが「アイドルなら、こうするはず」という暗黙のルールも、伊野尾はいとも簡単に飛び越える。コンサートでもファンサービスは少なめの、いわゆる塩対応として有名だ。売り出し中のアイドルらしからぬ態度にメンバーから本気で叱られることもあった。
しかし、予定調和にならないからこそ、その予測不能な発言や行動に、つい注目してしまうのだ。一体何を考えているのか、次にどんなことをするのかもわからない。そのヒヤヒヤ感こそ、伊野尾が人を惹き付けている理由ではないか。
伊野尾がブレイクを果たしたきっかけは、ジャニーズの先輩たちによってその魅力が発見されたことだった。V6の岡田准一、嵐の松本潤、タッキー&翼の滝沢秀明、KAT-TUNの亀梨和也など、ジャニーズの先輩たちが「かわいい」と発言し始めると、世間が一気に注目。その後も、デヴィ夫人や千原ジュニアなど、世代や性別を越えて、伊野尾ファンを公言する人が出現した。
この「かわいい」という言葉は、とても意味が広い言葉だ。従順さを「かわいい」とする人もいれば、手がかかることを「かわいい」と表現する人もいる。きっと伊野尾に対して発せられた「かわいい」は後者よりなのだろう。ジャニーズでは先輩後輩の上下関係がしっかりしており、後輩は先輩に対して常に従順だ。しかし、そんな後輩がたくさんいた場合には、自分から擦り寄らない伊野尾が際立ってユニークに見えたのかもしれない。
表面的には甘いマスクと華奢なラインの中性的なルックスで、従順な「かわいい」をイメージする伊野尾。だが、ときにはタメ語でツッコミを入れたり、アイドルらしからぬ下ネタワードを臆することなく発言したりと、意外な反応で楽しませてくれる。そんな自由奔放な姿を「(ちょっとクセがあるけれど)かわいい」と表現したのだろう。