アニメーションMVの良作続くーーP・ロビンソン&マデオン、GOUACHE 、さユりらの作品を解説

ポップしなないで「エレ樫」

ポップしなないで「エレ樫」

 続いては「セカイ系おしゃべりポップ」を標榜する2人組ユニット、ポップしなないでの「エレ樫」。漂白されたセンチメンタルなトラックの上で、ちょっと脱力した感じのラップや歌が乗る。

 「孤独な彼女が握りしめるのは ゼンマイ仕掛けのウォークマン」という歌詞を歌うこの曲は、アニメーター・ryosuke oshiroがミュージックビデオを手がけている。パステルカラーな色合いのアニメーションの世界観は、キュートな絶望と乾いた諦念を感じる曲のテイストにすごくピッタリとフィットしている。

 12月21日には、初の全国流通盤となる5曲入りCD『Faster, POP! Kill! Kill!』をタワーレコードとAno(t)raksによるレーベル<LUCK>からリリース。このアートワークもryosuke oshiroが手掛けていて、トータルな統一感を感じられる一枚になっている。

 こうして5曲並べてみると、見えてくるものは沢山ある。以前の新譜キュレーションの原稿では「音楽と映画の新しい関係」について書いたが、(https://realsound.jp/2016/09/post-9358.html)、アニメーションMVという分野においても、音と映像とが深く結びついた良作が増えてきているようだ。

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「新譜キュレーション」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる