乃木坂46 高山一実、初フロントの喜びとグループの現在地を語る「全部がいい方向に進んでいる」

乃木坂46高山一実、初フロントの喜び明かす

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「大好きな本に関わる仕事は自信にもつながった」

ーーそんな高山さんも、最近では雑誌『ダ・ヴィンチ』で長編小説『トラペジウム』を連載して独自の道を進んでいます。

高山:とてもありがたいことですよね。これまではバラエティを中心に活動していたところに自分の大好きな本に関わる仕事、しかも連載を持たせていただけるなんて自信にもつながりましたし。こういう人前に出ることが多い仕事をしていると、まずは自分のファンの方々に向けて自分の書いているものを届けることができるというこの環境はすごく恵まれているなと思うんです。と同時に、だからこそいいものを書かなきゃいけないというプレッシャーも感じていて、そこで自分の精神的バランスがいい感じに釣り合っているというのもあります。プラス、アイドルでこういった小説を連載している人が今はいないというのも自分の個性を確立する上でも自信につながっていて。今年がいい1年になっているのはこの小説のおかげもあります。

ーー僕もよく読ませてもらってますが、すごくしっかりした文章で、読み進めるうちに引き込まれていくんですよ。

高山:本当ですか? 嬉しいです。私、もとから文才があるとか物語を書くのが好きとかいうわけではなくて、ただ読書が好きだっただけで。「小説ってこういう感じで書くのかな?」と想像しながら書いているので、それがちゃんと形として表れているのかな。とはいえ他の作家さんの作品をそのまま真似ているわけではなくて、「自分が読者の立場だったらここでこういう展開だったらびっくりするよね」と考えながら書いているんです。よく作家さんと連載(『ダ・ヴィンチ』での連載「乃木坂活字部!」)でご一緒させていただくんですけど、そこでも「本をたくさん読むことはいいことですよ。だって読んでない人には小説は書けませんから」という意見をいただいて。なのでもっとたくさん読書したいと思うんですけど、最近は執筆しているぶん読むタイミングがわからなくなっているんです。仕事の空き時間に読書したいけど原稿を先に上げなければいけない、でも毎日原稿とばかり向き合っているとアウトプットに対してインプットが少ないからネタ切れになっちゃうし。そのバランスを取るのはすごく難しいですね。

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「周りの優しさに触れることで頑張ろうという気持ちが湧いてくる」

ーー発言がだんだん作家のようになってきましたね。

高山:いやいや、そんな(笑)。ちょっと話が脱線しますけど、私の小説を編集してくださる方は、見た目や雰囲気はすごく落ち着いているのに中に持っているものがすごく熱い方で。何かを書く仕事って自分との戦いだとは思うんですけど、そういう周りの方の優しさに触れることでもっと頑張ろうという気持ちが湧いてくるんですよ。初期の頃はグループ全体の仕事が中心でメンバーやマネージャーさんぐらいしか関わってなかったから、周りの人のありがたさに気づきづらかったところがあって。でも個人仕事が増えて、仕事というのは人と人とのつながりで作っていくものなんだと改めて気づけてからは、アイドルとか芸能界とか関係なく、仕事に関わっているスタッフさんと一緒に楽しく盛り上げようと方向転換できた。だから今は変に作り込まずに楽しくやれてるのかなという気がします。

ーー高山さん、昔と比べて考え方がとても大人になりましたね。

高山:ふふふ(笑)。でも、これでファンの数が本当に少なかったり写真集が100冊ぐらいしか売れてなかったりしたら、私もここまでのことが言えてないと思う。「人に対して優しく」とか言う前に、「お前、そんな状況じゃないだろ? お前が頑張れ!」と言いたくなっちゃうかも(笑)。そこに関してはファンの皆さんの力が本当に大きいですね。だって私は昔から人気があったわけでも徐々に人気が上がっていったわけでもなく、中途半端な位置でうねうね上下していたから。最初の「お見立て会」(2011年9〜10月開催)で目に見えた人気順が良かったというのが自分の中でのピークだとしたら、そこからきれいに下がっていったのも自分でわかっていて(笑)。自分で認識していたからこそ、あの頃はこういう発言はしづらかったんです。

ーーなるほど。

高山:でも今は私が仕事を楽しんでいることがファンの人に伝わることによって、ファンの人も楽しくなってくれているのが認識できるので、本当に全部がいい方向に進んでいるなと自分でも思いますし、このままずっと楽しくいきたいですね。それは別にポジションを今のままキープするとかもっと上に行きたいとかそういうことじゃなくて、気持ちの問題なのかな。もちろん今回フロントメンバーになれてすごく嬉しいんですけど、15枚目(前作『裸足でSummer』)での2列目でも楽しいという気持ちには変わりなかったし。だから、これからもできるだけ楽しくいようと心がけていこうと思いますし、「今がピーク」と言われないように常に全力でいきたいですね。

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