SAがメジャーデビュー後も剛速球を投げ続ける理由「大袈裟なくらいはみ出したほうが絶対いい」

SA、再メジャーでも剛速球を投げ続ける理由

「こういうのはパンクじゃない、みたいな枠決めはしてない」(TAISEI)

ーー長年自分たちのやり方でやってきたわけですし、他者の意見に耳を傾けづらかったりはしなかったですか?

TAISEI:そういう人もいるよね。ウチはそういうところ柔軟だから。

NAOKI:「なんでも言うてや~」って感じです(笑)。

TAISEI:その頭の柔らかさがあるからここまでやれてこれたと思うし。パンク界ではガラパゴス的にオレらだけで進化しちゃってるからね(笑)。

ーー楽曲の振り幅、サウンドの拡がり、といった面では、鍵盤楽器の入れ方も印象的でした。

TAISEI:「楽曲がその楽器を求めてるんだから別に入れてもいいし、ライブはライブでアレンジすればいいじゃん」という考えでしたね。弾いてくれている奥野(真哉)くんは同世代で古くからの友だちだし、感覚的によくわかってくれているから。だから弾くフレーズも古臭いわな(笑)。でも、オレらが好きな感じ。

ーー「はじめてのバラード」のエレクトリック・ピアノ、グッときました。

TAISEI:あのエレピいいでしょ? 今回、“昭和”って言ったけど、オレのアルバムのイメージは“オレンジ”だったのよ、色が見える音楽。ガキの頃に触れた70年代の音楽は“オレンジ”だった。80年代に入るとそれが“スカイブルー”になる。その2つが融合しているような音色が、このちょっと歪んだエレピの音の感じなのよ。 奥野くんにはよく「部屋に入ってくる西陽のフレーズをよろしく!」って言ってたな。

ーーこの潔いタイトルと男臭い歌詞も心に沁みます。

TAISEI:今までバラードもいろいろやってきたけど、自分の人生であったり、コムレイズとの友情だったりね。50歳を手前にしてドンズバのラブ・バラードをやってみたかった。でも、「君を守る」とか「君は独りじゃない」みたいなものはなんか嘘くさくて。それよりも「不器用な男なんだけど、本当はこう思ってるんだぜ?」というのを表したくてね。男には刺さってくると思うよ。

NAOKI:男の身勝手さ、さすらい感やな。

TAISEI:オレら、ここまで身勝手で来たからね(笑)。

ーー“オレンジ”や“西陽“といったワードが出てきましたが、詞を書く上でそうした情景的なものは大切にしているのでしょうか?

TAISEI:空気、景色、風、時間帯とか季節だとか……そうしたものをイメージできるようなものにしたい。昭和の音楽にはあったのよ、それが。今の子たちを批判するわけじゃないけど、「いつ? どこで? 誰が? 何なんだよ?!」と思うこともあるね。〈永遠〉ばかり言いやがって(笑)。今の今が大事なんだよっ! だから、それを表現したいというのはあるねぇ。意地になってるかもしれない。けどやっぱり、自分が感動できないといい曲じゃないし、自分が泣けないといい曲じゃないと思ってる。コムレイズは大事、リスナーも大事。だけど、てめえの人生でてめえがいいと思うものやらなかったら、聴いてるヤツに失礼だよ。自分に正直になってる音楽をやらなきゃいけない。

ーー「メジャーシーンでSAがどう暴れるのか?」と良くも悪くも注目されていた中で、良い方向に裏切られた気もします(笑)。
 
TAISEI:「メジャー行って、SAが変わっちゃう?!」 変わるかっ! 変わりようないわっ! むしろ変わってみたいわ~(笑)。

NAOKI:ここまで作り上げてきたオレたちの屋台骨はブレない。そこに“ピーハツ”っていう鎧を纏うわけだから。根底には自信があるし、物怖じせず行きたいね。

TAISEI:“ピーハツ”なんて言葉をね、今の時代に引っ張りだすSAのセンスをわかってくれ(笑)。こういうのはパンクじゃない、SAはやっちゃいけない、みたいな枠決めはしてないし、このメンバーだったらなんでもできる。良い意味でユルさもある。だから若い子にも受け入れられるんだと思うし。「パンク=怖い」なんていうイメージも、ライブ一発見たら払拭して、みんな肩組むもんね。やっとここまで来れたなと思う。40歳後半~50歳からのロックは楽しいよ。「おっさんでしょ?」なんて言わせない、文句なんて言わせねぇよ。

(取材・文=冬将軍)

■リリース情報
『WAO!!!!』
発売:10月19日(水)
価格:初回限定盤(CD+DVD)¥4,000+税
通常盤(CD)¥3,000+税
<収録内容>
01.ピーハツグンバツWACKY NIGHT
02.槍もて弓もて
03.誰が為の人生だ
04.LOVE’N’ROLL
05.そしておまえは新しくなる
06.Andy
07.ケリをつけろ
08.情熱WINNER
09.WATCH ME
10.はじめてのバラード
11.CLUNKER A GO-GO

<DVD収録内容>
4月17日に東京キネマ倶楽部で開催された、全国ツアー『START ALL OVER AGAIN, NOW! 2016』の最終公演を全曲収録。(122分)
01 START ALL OVER AGAIN! 02 GET UP!WARRIORS 03 ACTIONS SPEAK LOUDER THAN WORDS
04 サマーホリディズスカイ 05 KIDZ IGNITE 06 WONDER WORKER 07 俺は俺 08 新しい歩幅
09 さらば夜明けのSkyline 10 MARCH of HEROES 11 runnin’ BUMPY WAY 12 CALL YOUR NUMBER
13 (GOOD BYE)SHINING FIELDS 14 SONG FOR THE LOSER 15 雄叫び 
16 DON’T DENY,GIVE IT A TRY!! 17 GO BARMY KIDS 18 RALLY-HO! 19 THE SHOW MUST GO ON
20青春に捧ぐpart.2 21 DELIGHT

■ライブ情報』
『SA "LOVE'N'ROLL TOUR"』
11月3日(木)千葉LOOK 17:00/17:30
11月5日(土)HEAVEN'S ROCK 宇都宮 VJ-2 17:00/17:30
11月6日(日)水戸LIGHT HOUSE 17:00/17:30
11月12日(土)盛岡the five 17:00/17:30
11月13日(日)郡山#9 17:00/17:30
11月19日(土)静岡UMBER(w/THE NEATBEATS) 18:00/18:30
11月20日(日)岡山ペパーランド (w/THE NEATBEATS)17:30/18:00
11月22日(火)熊本django(w/THE NEATBEATS)18:30/19:00
11月23日(水)広島Cave-Be(w/THE NEATBEATS)17:30/18:00
11月25日(金)奈良NEVER LAND (w/片山ブレイカーズ&ザ☆ロケンローパーティ) 18:30/19:00
11月26日(土)松阪M'AXA (w/片山ブレイカーズ&ザ☆ロケンローパーティ) 18:00/18:30
12月3日(土)金沢VAN VAN V4 18:45/19:15
12月4日(日)新潟RIVERST 17:00/17:30
12月8日(木)神戸太陽と虎 (w/片山ブレイカーズ&ザ☆ロケンローパーティ) 18:30/19:00
12月10日(土)高知X-pt.(w/ガガガSP)18:00/18:30
12月11日(日)高松DIME(w/ガガガSP)16:30/17:00
1月13日(金)札幌BESSIE HALL 19:00/19:30
1月15日(日)仙台MACANA 17:00/17:30
1月18日(水)福岡graf  18:30/19:00
1月20日(金)梅田Shangri-La 19:00/19:30
1月22日(日)名古屋CLUB QUATTRO 17:15/18:00
1月29日(日)赤坂BLITZ 16:15/17:00

『SA presents BIG TOP "デッドヒート・イン・エビス ‘16" 』
10月14日(金)LIQUIDROOM  SA/The Birthday 18:30/19:15

SAオフィシャルサイト

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