嵐、リオ五輪テーマ曲は“ブラジル×ジャニーズ”の新機軸? 洗練されたダンス・ポップ調の楽曲に

参考:2016年9月19日~2016年9月25日のCDシングル週間ランキング(2016年10月3日付)(ORICON STYLE)

 今週のシングルランキングは、1位にEXILE THE SECOND『WILD WILD WILD』、2位に嵐『Power of the Paradise』、3位にaiko『恋をしたのは』という並びとなった。

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(C)タナカケンイチ

 嵐にとって通算50枚目のシングルとなったこの曲は、発売初週で42.2万枚を売り上げて1位となり、2週目となるこの週も2.8万枚で2位となっている。1位のEXILE THE SECONDが3.3万枚であることを踏まえても売り上げ枚数は桁が違うわけなのだが、嵐の場合、他のグループよりも過去作品との比較のほうが興味深い。

 嵐は2016年にシングルを3枚リリースしている。それぞれの初週と2週目のセールスは以下の数字だ。

2016年2月24日リリース『復活LOVE』 48.5万枚+3.1万枚

2016年5月18日リリース『I seek / Daylight』 73.8万枚+4.8万枚

2016年9月14日リリース『Power of the Paradise』 42.2万枚+2.8万枚

 上記のように、前作シングル『I seek / Daylight』、前々作『復活LOVE』を下回る数字となってしまっている。おそらく理由としては、初回限定盤のCDに収録されているのが表題曲1曲のみ(DVDには同曲のビデオクリップとメイキング映像を収録)であることが大きいだろう。通常盤のカップリング曲も「花」1曲で、単純に商品としての“お得度”がこれまでのシングルを下回ることが、売上枚数に関係しているはずだ。

 同時期に映像作品『ARASHI LIVE TOUR 2015 Japonism』がリリースされていたことも、ファンのお財布事情にとっては大きいかもしれない。松本潤を中心とした5人のメンバー自身がコンサート演出を手掛ける嵐というグループにおいては、ライブビデオは、いわば彼らの表現性を最も強く反映させたパッケージとなる。こちらのDVDは初動24.4万枚、BDは初動27.8万枚を記録。根強い人気を誇っている。

 では、楽曲自体はどんな仕上がりになっているのか。「Power of the Paradise」は日本テレビ系のオリンピック中継『リオデジャネイロオリンピック 2016』テーマソング。これまでもアテネ、北京、バンクーバー、ロンドン、ソチと夏冬あわせて5大会の日本テレビ系オリンピック中継のテーマソングを手掛けており、「オリンピック×嵐」は定番の組み合わせ。MVも建設中の豊洲大橋で撮影されたもので、2020年の東京オリンピックに向けてのイメージを鮮烈に伝えるものになっている。

 作詞をpaddy、作曲をnobbyが手掛け、これまで数多くの嵐の楽曲のアレンジを手掛けてきたha-jが編曲を担当したこの曲。ポイントはやはりリオのオリンピックということで、サンバのビートを取り入れたリズムだろう。とはいえ、アゴゴやホイッスルやタンボリンのようなラテン・パーカッションを多用してあからさまな南国感を打ち出すのではなく、全体は彼らの得意とする洗練されたダンス・ポップの曲調。その中で、イントロやサビや中間部に2拍子のビート感をさり気なく取り入れるにとどまっている。曲を引っ張っているのはストリングスやシンセで、このあたりがエレガントさと疾走感を兼ね備えた聴き心地につながっていると言えるだろう。

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