R指定は、なぜ多くのバンギャルの心を掴む? 金爆 歌広場や鬼龍院も注目する“V系らしさ”とは
今現在、ヴィジュアル系をヴィジュアル系たらしめているのはなにか?
過激なメイクをしているだけではヴィジュアル系とはよべないし(くくられたくないという方もいるだろうし)、楽曲の系統も様々。
V系バンドFly or Dieとしての顔を持つマキタスポーツ氏は自著『すべてのJ-POPはパクリである』(扶桑社)で「V系はビジネスモデル』と看過していたが、そのビジネスの顧客はヴィジュアル系ファン、つまりはバンギャルたちである。卵が先かニワトリが先か的な、ある種のトートロジーになってしまうのだけれど、その概念を借りて定義するのであれば、ヴィジュアル系とはいってしまえば「バンギャルが好きなバンドがヴィジュアル系」ということになる。
そして今、その「バンギャル」の心をガッチリ掴んでいるヴィジュアル系バンドがいる。R指定だ。
ゼロ年代半ばに九州にて結成され、バンド名の表記を何度か変えつつ08年に現バンド名へ。
メンバーはマモ(Vo)、Z(G)、楓 (G)、七星(B)、宏崇(Dr)の5人編成。
09年に上京後、徐々にシーンで頭角を表すようになり、13年に日本青年館、渋谷公会堂、15年にNHKホール、今年8月には幕張メッセイベントホールでのライブを成功させ、10年代を代表するヴィジュアル系バンドのひとつと呼べるだろう。
楽曲のタイトルは「毒盛る「アイアムメンヘラ」「スーサイドメモリーズ」「青春はリストカット」などなど、惜しげもなく恥ずかしげもなく、病み・メンヘラ要素をブチこんだ中二病のフルコースである。もともと「闇」や「病み」はヴィジュアル系の定番であるが、このテーマでありがならかなりキャッチーなメロディーなのが面白く、冒頭の「ヴィジュアル系はビジネスモデル」の所以というか、ビジネスとして成立するくらい支持されてこそ(でもメインカルチャーにはならない)という不文律を感じるのだ。
また、稀代のギャ男(バンギャル男)であるゴールデンボンバーの歌広場が、鬼龍院とともに「ヴィジュアル系最強ソング!」というテーマでTBSラジオ『荻上チキ・Session-22』(8月24日放送)に出演した際に、R指定の「病ンデル彼女」をチョイスしていた。
他はSHAZNAやMALICE MIZERといったレジェンドの楽曲の中、唯一の現代インディーズV系バンド。
「今最もV系らしさを感じるバンド」と表現しており、「ヴィジュアル系はネガティヴさや退廃的だったりする側面があるが、それが一周回ってポジティブになるようなパワーになるのが、このジャンルの最大の魅力。いまそれを地で行ってるのがR指定」と説明した。