SMAPへの楽曲提供はなぜ特別なことなのか 槇原敬之、山崎まさよしらコメントから考える

 SMAPに提供した楽曲を、彼らに代わり歌い繋いでいく意志表示をした歌手がいる一方で、27枚目のシングル曲「夜空ノムコウ」の楽曲提供者であるスガシカオは、8月20日に都内で開催された音楽イベント『J-WAVE LIVE SUMMER JAM 2016』にて「夜空ノムコウ」を封印することを宣言。デイリースポーツ online(参考:スガシカオ「夜空ノムコウ」を封印へ SMAPに感謝を込めて歌い上げる)によると、スガも山崎同様に「デビューして間もないころ、知名度のなかったオレを起用してくれて、大ヒットしまして、初めて全国区になるきっかけになった曲」と、SMAPへの感謝の思いを語っていたそうだ。同サイトによると、スガは、SMAPが同曲を発売した当時も、数年間は公の場でカバーしなかった過去がある。彼らに提供した同楽曲を大切に思うがゆえ、今回のように楽曲を封印するという思いに至ったのではないだろうか。

 さらに19枚目のアルバム『We are SMAP!』収録曲「SWING」を手がけた西寺豪太は、自身のSNS(参考:西寺郷太 ジャネット・ジャクソン新書)で同曲について触れ、「彼らに歌ってもらえた時本当に嬉しかったな」とコメントし、SMAPのために作った楽曲が採用されなかったこともあったと当時のエピソード明かした。小室哲哉(参考:Tetsuya Komuro)も45枚目のシングル『This is love』収録曲「グラマラス」でSMAPに楽曲提供を行ったひとり。小室は自身のTwitterで当時を振り返り、「BSB(バックストリートボーイズ)に(楽曲が)採用された時と似た気分だったな」と、SMAPへの楽曲提供がいかに特別なことであるかを表現していた。

 SMAPの解散という悲しいきっかけを通して、それぞれのミュージシャンにとって、SMAPへの提供楽曲は特別なものであり、かけがえのない思いが詰まったものであることが明らかになっている。SMAP以外のジャニーズグループも昨今、有名アーティストから楽曲提供を受ける機会が増えている。しかし、SMAP同様に、楽曲提供者たちがこのような思いを抱きながら作品を提供できるようなグループは今後、現れるのだろうか。

(文=梅中麻衣)

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