AimerとワンオクTakaの出会いが“必然”である理由ーーコラボアルバム『daydream』を紐解く
Aimerが9月21日、ニューアルバム『daydream』をリリースした。
同作には、Taka(ONE OK ROCK)、野田洋次郎(RADWIMPS)、TK(凛として時雨)、内澤崇仁(androp)、スキマスイッチ、澤野弘之など、日本のロック/ポップシーンを代表するアーティストが楽曲提供およびプロデュースとして参加。「ninelie」「insane dream」「us」「蝶々結び」の4曲はすでにシングル曲としてリリースされているが、さらに新曲が加わり、全13曲収録のコラボレーション・アルバムとなっている。
『daydream』=“白日夢”と名付けられた同アルバム。Aimerとそれぞれの参加アーティストが、互いにリスペクトを感じながらも刺激を与え合うことで、どんなコラボレーションが生まれたのか。音楽ジャーナリスト・柴那典氏に話を訊いた。
「『daydream』を聴いてまず感じたのは、これだけ多くのミュージシャンが曲を提供していながら、あくまでもAimerのアルバムとしての軸が通っていること。それは彼女の声の個性の強さゆえでしょう。作家陣は、“Aimerに寄せる”ということはしておらず、曲調はバラエティ豊かですが、彼女の歌の特性によって、統一感ある1枚のアルバムになっているんです」
そのAimerの歌の特性とは、“他の人と溶け合わない”声質にあると、柴氏は続ける。
「今のJPOP全般の傾向でもあると思うんですが、チャートを見ていても、シーン全体を見渡しても、たくさんの人がいっぺんに歌うーーつまり、ユニゾンで歌う形態の曲が多くの割合を占めています。特に女性でいえば、アイドルや女性グループものがとても多い。しかし、Aimerの声は、他の人と溶け合わない、圧倒的な“個”であると感じます。息遣いや間の取り方も含めて、声自体に、空気を変えてしまう力があり、歌い始めのすっと息を吸う一瞬だけで引き込む力がある。ただ歌が上手い、音程がとれている、いい声というだけじゃない、歌い手としての才能を持っていると思います」