スカパラとKen Yokoyamaはなぜ共振する? 挑戦し続ける彼らの再タッグを読む
「道なき道、反骨の。」「さよならホテル」のコラボを経たKen Yokoyamaは、今後、自身バンドで日本語詞の楽曲に挑戦する可能性があるかもしれない。また、その影響を与えたスカパラが、これまでにフィーチャリングしてきたアーティストについて石井氏はこう分析する。
「スカパラは昨年のコラボから、新しいタームに入ってる感じがするんですよ。25周年記念ベスト盤『The Last』を出した後、最初にクリープハイプの尾崎世界観さん、片平里菜さんが第2弾、この人選だけで確実に2010年代のシーンを見ていることが伝わってきます。健さんとのコラボも“90年代からずっとカッコいいヒーローだから”という理由ではなく、『Mステ』に出演したり、影響力のある強い発信をしている今の姿があってこそだと思うんです。ただ人気のボーカリストをフィーチャリングするのではなく、『新しいスカパラを見せようとしている』ということを今回のコラボ・シリーズで感じました。スカパラは実は時代をすごく読んでいるグループ。コラボアーティストの人選は“今”を強く意識したものなのではないでしょうか」
ジャンルは違えど、アンダーグラウンド発から自身の音楽をここまで大きくシーンに広め、“楽しさ”をモットーにしたスタイルを持つ東京スカパラダイスオーケストラとKen Yokoyama。今もなお新たなことに挑戦し続けるという両者の姿勢が、2度彼らを結びつけた最大の理由なのかもしれない。
(文=大和田茉椰)