「泣き笑いの感動をずっと追いかけてる」東京スカパラダイスオーケストラが語る、デビュー25年の歩み

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デビュー25周年を迎える東京スカパラダイスオーケストラ。

 東京スカパラダイスオーケストラが、結成25周年を記念するアルバム『SKA ME FOREVER』を8月13日にリリースする。同作には、10-FEET、MONGOL800、ASIAN KUNG-FU GENERATIONとそれぞれコラボした“バンドコラボ3部作”のほか、演劇界で絶大な人気を誇る「劇団☆新感線」と「大人計画」がタッグを組んだ舞台『ラストフラワーズ』のメインテーマ「ラストフラワー」の原曲となる「チャンス」、1989年にアナログ盤でリリースしたファーストアルバム『東京スカパラダイスオーケストラ』の1曲目「ペトラーズ」を改めて演奏し直した「ペトラーズ2013」などを収録、25年に及ぶキャリアの集大成といえる1枚に仕上がっている。さらに10月末からは、アルバムを提げてのツアー『25th Anniversary Live House Tour「SKA ME FOREVER」』も開始するなど、勢力的に活動を展開している東京スカパラダイスオーケストラ。今なお衰えぬ勢いを感じさせるそのバイタリティは、どのようにして培われてきたのか。リズムパートを支える川上つよし(ベース)と、ボーカル曲の主な作詞を担当している谷中敦(バリトンサックス)に、アルバムの音楽性からスカパラ独自の組織論、そして25年の歩みとこれからについて、じっくりと語ってもらった。

川上「今度のアルバムは、スカパラがデビューした頃のムードにけっこう近いかな」

一一新作の手応えはいかがですか。

川上:客観的に聴いて、すごく笑えて泣けるアルバムになったかなと。作ってる時はあんまり意識してなかったけど、スカパラがデビューした頃のムード。そこにけっこう近いかなと思いましたね。

一一当時なムードとは、具体的にいうと?

川上:あんまり人がやらないだろうことを喜んで真面目にやってる。それは傍から見ると笑えるんだけど、本人たちがすげぇ真剣だから、だんだん感心してくるしちょっと泣けてくる、みたいな。そういうところはありますね。シブいことをやって悦に入るわけではなくて、普通そんな大ネタやらないだろっていうカバーを本気で大合唱してるみたいな。そういう「スカバラ馬鹿道」って、実はけっこうデビュー当時にあったんですよ。

谷中:面白い切り口でやりたい、っていうのはあったよね。他にいないようなバンドになりたかったし。

川上:そう。当時としては、楽団員が全員同じスーツを着てるっていうのはレトロだし、少し笑えるようなことで。ちょっと時代っぽくないことをやろうとしたんですね。最初はジャマイカのスカと、日本の昭和歌謡テイストをブレンドさせるっていうコンセプトで。今は辞めちゃった創始者のASA-CHANGが、まずは「お茶の間にスカを」って言ってたんだよね。

一一そこには、まだ認知度の低いスカというジャンルで世の中をひっくり返そうとするカウンターの意識もあったんですか。

谷中:あったのかもしれない。もちろん「お茶の間にスカを」っていう言葉自体、半分マジで半分冗談というか。自分たちでも「……まさかね?」って思いながらやってたところはあるんですけど(笑)。

一一でも、それは事実になっていきました。その創始者が抜けるってあまりない話ですけど、その後もバンドを続けるのは自然なことでした?

谷中:そうですね。バンドも盛り上がってる時だったんだよね。デビューして、早い時期に武道館も成功させて、これからさらに行くぞっていう時にASA-CHANGが「解散します」って言い出して。「いやいや、僕ら解散しないし続けたいです」っていう。だから辞める気持ちは全然なかったですよ。

一一それ以降、スカパラにリーダーはいないんですよね。

川上:そうですね。まぁ面倒くさい話だと思うんですけど、あえて作らない。もう今さらっていうか。

谷中:もう今さらね。みんなの合議制で、建設的に進めていけば。公平にジャッジしていくだけでいいですよ。

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