6人組・VIXXが“コンセプトドル”で表現する、K-POPの新たなグループ性

 東方神起、Super Junior、BIGBANG…。1つの音楽ジャンルとして、すっかり定着したK-POPグループたち。圧倒的なスタイルの良さとパフォーマンス力の高さが彼らの魅力ではないだろうか。そんなK-POPグループの中で、昨今人気を集めているのが「VIXX」だ。VIXXは2012年、オーディション番組『My DOL』(Mnet)を勝ち抜き、韓国大手レコードレーベルJellyfishエンターテインメントからデビューした6人組グループ。“「Voice」、「Visual」、「Value In Excelsis」=最高のVoice(声)、最高のVisual(ヴィジュアル)、最高のValue(価値)を兼ね備えた6人組”という意味を持つ「VIXX」というグループ名にふさわしく、パーフェクトな6人が集まっている。

 VIXXは、1stシングル『SUPER HERO』でデビューし、日本でも2014年7月2日に1stアルバム『DARKEST ANGELS』でデビューを果たしている。その後も、韓国を中心に質の高い作品をリリースし続け、一気に人気を獲得した。そんな彼らにとって、2016年は「完全体活動の年」だ。大規模な年間プロジェクト「VIXX 2016 CONSEPTION」を始動させたのである。「VIXX 2016 CONSEPTION」はギリシャ神話に登場する、運命と破滅の神・“Ker”がキーワード。様々な音楽と壮大なストーリーを3部作で表現するというものだ。第一弾は、嫉妬と競争の神・ゼロスがモチーフ。愛を奪われた一人の男の嫉妬に満ちた感情を表現した5thシングル『Zelos』を4月にリリースした。そして2016年8月15日には、暗黒世界の神・ハーデスをモチーフとして、愛する彼女の心を得るために「愛の妙薬」を求めて暗黒の世界を尋ねるストーリーを描いた6thシングル『Hades』を第二弾として発表した。

 これを見て分かる通り、VIXXの楽曲には明確なコンセプトがある。実際VIXXは、“コンセプトドル(=コンセプト・アイドル)”と呼ばれ、他のK-POPグループとは一線を画した活動を行なっている。コンセプトドルとしてのはじまりは、ヴァンパイアがコンセプトとなった3rdシングル『傷つく準備ができてる』だ。その後も、1stミニアルバム『hyde』でジキルとハイド、1stアルバム『VOODOO』で呪いの人形、2ndミニアルバム『Error』でサイボーグ、2ndアルバム『Chained Up』で愛の奴隷と、実にユニークなコンセプトをVIXXなりのスタイルで表現してきた。ビジュアルを徹底的に作り上げ、楽曲やMVはもちろん、ダンスもコンセプトに沿った振付を入れ、世界観を表現しているのだ。優れた容姿と高いパフォーマンス力を持っているにも関わらず、それに満足せずプラスαを付け足すアイデアは流石である。

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