『TIF』総合P 濵田俊也氏に訊く、マスメディアがアイドルフェスを手がける理由

『TIF』総合Pに訊く、アイドルフェスを手がける理由

「アイドルシーンに浸ることができる期間を作っていくのも大事な作業」

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『TOKYO IDOL FESTIVAL 2016』

——今年の『TIF』は、2日間から3日間への日数拡大が最大のトピックとも言えます。3日間開催というのは以前から構想していたことなのでしょうか。

濵田:2013年から、お客様のご来場者数が、我々が準備する設備のキャパシティを超えそうになってきました。毎年2、3割来場者が伸びている状態で、ステージを増やしたりして対処療法的に対応してきたのですが、昨年2015年の段階で1日2万6千人のお客様が来場して、このままいったらパンクをしてしまうと思いました。今も実感していますが、アイドルシーンの人気が落ちている認識など全くなく、むしろ今年も伸びている気がしていて、「これは」と思い3日間開催を決断しました。

——今年はどのくらいの来場者数を想定しているのでしょうか。

濵田:少なくとも7万人はいくだろうと計画していますが、目標としては10万人です。7万人入ると日本の音楽フェスベスト10に『TIF』がアイドルフェスとして食い込んでくる。日本でも世界でも一番大きいアイドルフェスである我々のフェスこそがそこに入っていかないと、今後アイドルシーンは伸びていけないと考えています。

——参加者にとって来場に繋がる一番の動機はやはり、目当てのアイドルが出ることだと思います。昨年は154組のアイドルが出演していましたが、今年は総勢296組(8月1日時点)と一気に倍近くまで増員しています。

濵田:1日に出る組は120組くらい、延べ数で言ったら360組くらいです。これまで2日間出て頂くアイドルに3日間出て頂くという選択肢もあれば、増えた1日分に初出演のアイドルを振り分ける選択肢もありました。僕は後者を選択したので、3日間出るアイドルはそこまで多くはなく、1日だけ出る初出演のアイドルが多いです。3日間開催にすることで、副次的ではあるけれども、アイドルに『TIF』の出演を体験してもらって、例えば地元で『TIF』の良さ、アイドルフェスの面白さを自身の口で伝えてもらいたい、という期待は大きいです。また、土日に自身が所属するレーベルのアイドルイベントを開催されているところもありますよね。実際のところは分かりませんが、金曜日が増えたことで出やすくなったりとかもあるといいなと思っています。あーりん(佐々木彩夏)もそうかもしれないですね。

——金曜日に出演するこぶしファクトリー、つばきファクトリーの所属するハロー!プロジェクトは、土日に初夏恒例のハロコンと呼ばれるライブを開催しますね。第一弾出演者発表では、アイドルネッサンスやPASSPO☆など『TIF』の恒例かつコラボステージに立つアイドルを発表しています。そして、印象的だったのは、欅坂46を皮切りにAKB48 Team 8、チームしゃちほこ、昨年も出演していたSKE48やあーりん、NGT48など、言わば国民的アイドルが今年は特にたくさん出演します。これらには発表タイミングの妙を感じました。

濵田:盛り上げてこそアイドルシーンなので、発表をどうするかというのはものすごく重視しましたね。良いも悪いもネットでどれだけ反応して頂けるかはすごく大事だと思っていて。『TIF』はPRチームを充実させていて、それはほかのアイドルフェスにない部分なんですよ。僕は事前と事後のパブリシティを意識していて、どれだけ事前に『TIF』へのワクワク感を醸し出せるか、終わった後に、『TIF』のニュース記事で「俺、あのフェス行ったんだよね」、「あの時、あーだったんだよね」と、お客様に思い出して頂けるか、この2つはすごく重要な仕事だと思っています。それがあるとアイドルファンがシーンに浸ることができる期間が4、5カ月続くわけですから、その期間を濃く作っていくのも大事な作業だなと思っています。

——私が会場で観ていて印象的だったのが、2014年に当時SKE48だった松井玲奈さんが個人的に『TIF』が好きで、HKT48のステージを客席で観ていて指原莉乃さんにいじられていた場面です。そして翌年、卒業を間近に控えた松井さんがSKE48としてHEART GARAGE(Zepp DiverCity)に立つというストーリーがありました。アイドルからも好かれるフェスになっているなと感じます。

濵田:欅坂46の出演発表の際のインタビューで石森虹花さんも言っていましたが、アイドルになる前に『TIF』に遊びに来ていたというアイドルは結構いますね。そういった面白さがあるんでしょうね。アイドルって、アイドルのこと好きですし、可愛い人は、可愛い人に憧れる。

——フェスが長く続いたからこそ生まれる言葉ですね。

濵田:本当に長くなりましたもんね。今年で7回目か。長く続けるのはすごく大事なことです。僕が関わったのは2012年からなんですけど、運営プロデューサーは2013年からで、総合プロデューサーは2015年から。僕は3代目総合プロデューサーですが、どれだけ次の世代にこのフェスの良さを伝えて、運営や制作のノウハウを伝えて、続けていけるかが僕の楽しみですね。代が変わるとムードも変わりますし、それが何回も繰り返されることが、僕らがアイドルフェスをやっている強みでもあります。

——初年度から出演していたアイドリング!!!が昨年ラストステージでした。アイドリング!!!不在の今年は、どうメインステージのトリを考えたのでしょうか。

濵田:今年のトリは、でんぱ組.incなんですよ。でんぱ組.incはもはやアイドルのある意味の「象徴」ですし、「TIF2016特命大使(フレッシャーズ応援担当)」や「TIFメインステージ 争奪LIVE ファイナル」ではMCを務めていただいていたり。アイドルなんだけど、アイドルを卒業することなく、次のアイドルを育てるお姉さん的な役割を果たす、そんなでんぱ組.incの存在を非常に大きく感じています。

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