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レジーのJ−POP鳥瞰図 第11回

実りある音楽体験を届ける“目利き”としてのレーベルーー『CONNECTONE NIGHT』が示した充実

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“ビクター変な子祭り”が示した多様な音楽の形

「今日は“ビクターロック祭り”じゃなくて“ビクター 変な子祭り”だね」

 5月6日に渋谷CLUB QUATTROにて行なわれた『CONNECTONE NIGHT Vol.1』。大トリで登場したRHYMESTERのMummy-Dは、この日のイベントを同じくビクターが主催しているロックフェスに絡めてこう表現した。

 2015年春にビクター内のレーベルとして「音楽をつなげていくこと」「音楽でつながっていくこと」をコンセプトに発足した<CONNECTONE>。『CONNECTONE NIGHT Vol.1』はこのレーベルが初めて開催したライブイベントであり、<CONNECTONE>からすでに作品をリリースしているRHYMESTER、Awesome City Club、sympathy、SANABAGUN.、ぼくのりりっくのぼうよみの5組、さらにSANABAGUN.の高岩遼が所属するTHE THROTTLE、オーディションで選ばれたArt Buildingを加えた計7組が出演した。そして、全ての出演アーティストが存分な個性を発揮した素晴らしいイベントとして無事に終幕した。

160513_rhy_1.jpegRHYMESTER(写真=小見山峻)

 開演が17時45分、終演が22時頃というオールスタンディングのライブとしてはなかなかの長丁場となった『CONNECTONE NIGHT Vol.1』。にもかかわらず、この手の長時間イベントにありがちな空気がだれる瞬間はほぼなかった。2ステージ制によってテンポよく進むタイムテーブル(クアトロのフロアに2つのステージを設置しているのを見たのは初めてだった)や、タキシード姿で司会を務めた高岩遼の奮闘など運営面での工夫がイベントの質を向上させていたのは間違いないが、それ以上に大きかったのは出演アーティストの多様さ、そして随所に垣間見える彼らの音楽的なつながりの面白さだろう。

20160513-connectone11.jpgSANABAGUN.(写真=神藤剛)

 「カラーが一定じゃなさすぎる(笑)」とは再びMummy-Dの発言だが、オープニングアクトのArt Buildingが鳴らすギターロックから大トリのRHYMESTERによる正統派ヒップホップまで、今回出演した7組の音楽性について、表層的な部分での共通項を見出すのは難しい。ただ、一枚皮を剥くと、似たような志や方向性のリンクが感じられる組み合わせが多数存在している。たとえばRHYMESTERの王道ヒップホップを基点として、「インターネット」「バーチャル」というフィルターでそれを再解釈したのがぼくのりりっくのぼうよみ、今の時代のストリート感・土着感をそこに加えたのがSANABAGUN.という捉え方もできる。また、ヒップホップとR&Bを行き来するようなぼくのりりっくのぼうよみが持つ「隣接ジャンルのミックス感」は、叙情的なギターロックにポストロック風の味付けを加えるArt Buildingの発想とも近いものを感じる。そのArt Buildingの特徴でもある「バンドサウンドの中におけるボーカルの引きの強さ」はsympathyと通じるものがあるし、一見すると全く違うsympathyとTHE THROTTLEも「女の子4人の華やかさ」「革ジャンで決めるキャラとしてのキャッチーさ」という「存在としてのポップさ」を志向しているという意味では、同じベクトルだと言うこともできるだろう。さらに、THE THROTTLEとSANABAGUN.はメンバーの重複だけでなく、ステージ上での見得を切るような歌舞伎的なかっこよさが共通している。

20160513-connectone14.jpgAwesome City Club(写真=神藤剛)

 一見するとまとまりがないレーベルメイト同士の音楽的な発想のつながりが、このイベントにおける「バラバラの中にある絶妙な統一感」を生んでいたように思える。そういう意味では、ここまで挙げたそれぞれの要素を咀嚼した音楽を鳴らしているAwesome City Clubがこのレーベルの第1弾アーティストであるとともに今回のイベントのちょうどど真ん中に配されているというのは辻褄が合う話である。この日のセットリストはバンドとしてのアッパーさを前面に押し出したものだったが、近年のトレンドでもあるオーセンティックなソウル風味のナンバーから間口の広いJ-POP的な楽曲までを同列に聴かせる懐の深さは、<CONNECTONE>のレーベルカラーをまさに体現しているとも言える。

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