Little Glee Monsterが考える、ボーカルグループとしての“強さ”「ひとつにまとまらないのがリトグリの良さ」

リトグリのVo.グループとしての“強さ”

 Little Glee Monsterが2016年第1弾シングルとなる『My Best Friend』を5月11日にリリースした。本作にはラウンドワンのCMソングとしてオンエア中の表題曲に加え、ソニー損保のテレビCMで印象的なフレーズを聴かせる「Happy Gate」、MBS春の高校野球『みんなの甲子園』のテーマソングとしてお茶の間を賑わせた「Never ending dreamer」とタイアップソングが満載。さらにヒャダインこと前山田健一が書き下ろしたゴスペルナンバー「JOY」も収録されており、話題曲がズラリと並ぶ聴き応えのある1枚に仕上がった。

 アルバムのチャートおよびセールス面での成功や3月のZeppツアー全公演ソールドアウト、さらにはオリコンのエンタテインメント業界誌『コンフィデンス』による気鋭アーティスト25組にピックアップされ、水曜日のカンパネラ、三戸なつめ、BLUE ENCOUNTと並んで認知度上位に上がるなど昨年以上に注目度が高まっているリトグリ。今回のインタビューでは今年1月の1stアルバム『Colorful Monster』発売以降の活動を振り返りつつ、新作の聴きどころについて語ってもらった。(西廣智一)

「別の場面でも私たちに気づいてもらえるのはありがたい」(かれん)

──1月に発売された1stアルバム『Colorful Monster』オリコンデイリーランキング2位、週間ランキング4位と、過去最高位を記録しました。発売後の周りの反響はいかがでしたか?

芹奈:楽曲にしろメンバーの個性にしろいろんな色が詰まっていて、リトグリにとって名刺代わりになるような内容になっているので改めて自己紹介ができたかなと思うし、今まで私たちのことを知らなかった人に知ってもらえて嬉しかったです。

manaka:順位も今までで一番高かったことにも驚きましたし。

かれん:アルバム発売後は今まで行ったことのなかった場所にもたくさん行って。初めて山形に行ったときは、イベントにすごくたくさんの人が集まってくれて、「こんなに私たちのことを知ってくれてるんだ!」って嬉しかったです。

──そういうイベントではアルバム発売前と発売後で、お客さんのリアクションに変化はありましたか?

芹奈:この前初めて北海道でライブをしたんですけど、リトグリのことをあんまり知ってる人はいないだろうなって気持ちで行ったら、めっちゃたくさんの人が知ってくれていて。私たちの曲に合わせて掛け声とかくれてすごくビックリしました。

manaka:同世代のお客さんがさらに増えた印象もあって、イベントをするたびに「こんなにきてくれてたっけ?」と思うんです。あと家族でいらっしゃるお客さんも増えましたね。娘さんに影響されてと思いきや、お母さんがもともと好きで、それに影響されて娘さんもライブに来るようになったとか。

──特に最近ではラウンドワンやソニー損保のテレビCMにも出演しているから、イベントをたまたま観た人が「あ、CMの子たちだ」と気づくことも多いでしょうし。

麻珠:先日外食してたときに声をかけられて、「ソニー損保の方ですよね?」って言われたんです(笑)。あのCMに映ってることを知ってくださっていること自体がすごくビックリで。CMとの印象も違うだろうから、絶対に気づかれないだろうなと思ってたんですけど、そうやってわかってくれる方も増えてきてすごく嬉しいですね。

かれん:私も今日Twitterを見ていたら、「ポケモンを歌ってたリトグリが、ソニー損保のCMでも歌ってる。最初はまさかリトグリだと思わなくてビックリした」と書いてくれている人がいて。その人はたぶんポケモンファンなんでしょうけど、そうやって別の場面でもちゃんと私たちに気づいてもらえるのは本当にありがたいです。

「Zeppツアーは今までで一番後味が良かった」(manaka)

──3月にはこのアルバムを携えて、東名阪のZepp会場を回るライブツアー『リトグリ 春のZeppツアー2016 〜Colorful Monster〜』も実施し、全会場ソールドアウトとなりました。

manaka:Zeppでのワンマンライブは初めてだし、しかも東名阪だし大丈夫かな? という不安もあったんですけど、それでもソールドアウトできたのは本当に自信につながりました。

芹奈:ありがたいですよね。

manaka:このZeppツアーは今までのどのワンマンよりも、どのツアーよりも後味が良かったというか。終わった後の自分の気持ちがすごく良かったのが印象的で。

他のメンバー:(頷きながら)そうだね。

manaka:リハーサルでもリトグリの6人、バンドの皆さん、スタッフの皆さん本当に入念に行っていて、一緒にいいものを作りたいというみんなの思いが伝わる、結束力がすごく強かったツアーでした。全会場1つひとつに思い出があって、自分たちもこのZeppツアーで得たものはすごく大きかったんじゃないかなと思ってます。

──今回のツアーは演出も今まで以上に凝っていたし、皆さん自身もダンスにも本格的に挑戦しましたよね。

芹奈:あんなに構成が付いてるライブは初めてだったんです。

麻珠:しかもあそこまで踊ったのも初めてで。終わった後にファンの方からも「カッコ良かったよ!」とか「セクシーなところが見られて良かったよ!」とか言ってもらえて、それもすごく嬉しかったです。

──そしてカバー曲のセレクトも興味深かったです。洋楽カバーのメドレーでは、いろんな国のいろんなジャンルの楽曲に挑戦しましたし。

芹奈:MAYUは特に苦戦してたよね。

MAYU:「ジンギスカン」を歌ったんですけど、ロシア語だから読めるはずもなく、カタカナで読みがなを振って。リハーサルギリギリまで歌詞を見なくちゃ歌えなかったんですけど、半泣き状態になりながら頑張りました。

──そんな中で、アサヒさんは日本語で「世界の国からこんにちは」を思いっきり歌うという。

アサヒ:ふふふ(笑)。ありがとうございます。

「勝負の年やからこそ勢いに任せず、1つひとつのことを丁寧に」(manaka)

──今回のツアー、どこが一番苦労しましたか?

manaka:今回は『Colorful Monster』というアルバムを引っさげてのツアーで、新曲もたくさんあったので、特に曲の見せ方にこだわりました。どれも似た曲だと思われたくないですし、1つひとつ曲の持つ色が違うわけなので、そういうところの魅力をお客さんに伝えたいという思いがあって。リトグリは音で勝負をしているんですけど、視覚でも楽しんでもらいたいという気持ちが強いから、前半ゾーンではCharaさんが書き下ろしてくださった大人っぽい曲(「Feel Me」)に対しては大人っぽい振付を楽しんでもらいたい。で、後半ゾーンからは歌声だけでどれだけみんなの心を掴めるかという気持ちでやっていたので、そこの切り替えが一番難しかったですね。

──確かにライブ後半、「小さな恋が、終わった」から雰囲気がガラリと変わって、一気に惹きつけられましたし。

manaka:ありがとうございます。まさに狙い通りですね(笑)。

──それとライブを観て感じたのが、皆さんいい意味で肩の力が抜けているなと。以前のガムシャラ感とはまた違って、多少心に余裕が持てるようになったのかなという気がしました。実際皆さん、今まで観てきたどのライブのときよりも楽しそうでしたし。

manaka:嬉しい。本当にその通りで、今回はめっちゃ“遊ぶ”余裕ができて、楽しかったんです。

芹奈:間違いなく1人ひとりが心の底から楽しめていたと思います。

──ファイナルとなったZepp DiverCity公演では、最後のMCでmanakaさんが「2016年は1つひとつのことに対して、丁寧に向き合っていきたい」と宣言しましたよね。あの言葉には、どういう思いが込められていたんですか?

manaka:リトグリのことを知ってくれる人が多くなってきた中で、たぶん今年はすごい勝負の年だと思ってるので、勝負の年やからこそ勢いに任せず、今までやってきたように1つひとつのことと丁寧に向き合いながら、より慎重に歌を届けたいという思いが強まってます。

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