鈴木このみが語る、アニソンを歌う醍醐味と自身のルーツ「自分の中の可能性を広げられている」

鈴木このみが語る、アニソンを歌う醍醐味

 鈴木このみが、5月11日に10枚目のニューシングル『Redo』をリリースする。表題曲は、TVアニメ『Re:ゼロから始める異世界生活』(通称リゼロ)のOPテーマ。「死に戻り=タイムリープ」という作品の世界観を踏襲した歌詞で、逆回転サウンドや時計の針の音がちりばめられ、目まぐるしく変化してく曲構成など、これまでの彼女のレパートリーの中でも非常にテンションの高い仕上がりとなっている。また、カップリング曲の「メビウス」の歌詞は、理想と現実の狭間でもがきながら前へと進み続ける内容で、『リゼロ』の主人公スバルにも、鈴木本人にもオーバーラップする。アニソンシンガーとしてデビューして4年、楽しいことや辛いこと、様々な経験した彼女ならではのリアリティが、そこにはあるのだ。

 6月には、「キティラー」を宣言してきた彼女にとって念願である、サンリオピューロランドでのスペシャルライブが控えている鈴木このみ。ここまでの道のりを改めて振り返りながら、今作の制作秘話や、今後の展望についても大いに語ってもらった。(黒田隆憲)

「アニメの世界観に合わせることを5割、自分の気持ちを出すことを5割」

ーー『リゼロ』のOPテーマであるニューシングル「Redo」は、ライブで無茶苦茶盛り上がりそうな曲ですね。

鈴木:最初頂いたときは、「難しい曲が来たなぁ」というのが率直な感想でした(笑)。でも、すごくかっこいい曲なので、是非とも歌いこなしたいなと。それに、歌詞を読んだら『リゼロ』の主人公スバルくんにピッタリな、アニメの世界観を思わせる内容だったので、歌もその世界観に寄り添ったものにしようと思いました。

ーー歌を歌うときは、作品の主人公を自分の中に憑依させている部分も大きい?

鈴木:そうですね、基本的にアニソンを歌うときは、アニメの世界観に合わせることを5割、自分の気持ちを出すことを5割で考えるようにしています。単にアニメに寄り添っているだけだと、自分が歌っている意味が無くなってしまうと思うので。

ーーとはいえアニメの世界観に合わせるのは、アニソンシンガーの醍醐味でもあるのでしょうね。

鈴木:そうだと思います。「スバルくんだったら、こういう風に思うんだろうな」とか、「アニメの背景はこんな感じで」っていうふうに、映像を頭に浮かべながら歌うのはすごく楽しいですね。自分100パーセントの表現では、やはりそういうイメージまでは広がらない。アニソンを歌うことで、自分の中の可能性を広げられているのかなとも思います。

ーーこの曲のMV撮影では、黒と白の人格を一人二役で演じてましたね。

鈴木:いやー、これは自分としては挑戦でした。意外と「黒い自分」がファンの皆さんに好評でしたね。ちょっと挑発的な笑みとか、意地悪な女の人をイメージしたんですけど、それが好評だったということは、みんなこっちを望んでたの...?って(笑) 

ーー「意地悪な女の人」というより、いつになく大人のセクシーさが出てましたよ!

鈴木:ありがとうございます! 最初はただ単に「ガンを飛ばしてるだけ」みたいになってしまったんですけど(笑)、なんとか形になってよかったです。

鈴木このみ「Redo」(「Re:ゼロから始める異世界生活」OPテーマ)

ーーカップリング曲「メビウス」の印象は?

鈴木:“嘘になんて染まらないでいてね”っていうフレーズにドキっとしました。というのも、私がデビューのときからのポリシーが、「みんなに嘘はつかない」っていうもので。でも、デビューして4年が経ち、最近ちゃんとそれを守れているのかなっていうのを、改めて考え直す機会にもなりました。「もしかしたら、無意識な行動をして嘘をみんなについていないだろうか」とか色々考えましたね。これからも、自分が思ってもみないことを言ったりすることなく、自分にもみんなにも正直に行動したいなって思いました。

ーーそう思うようになったのはなぜ?

鈴木:ファンの人たちとは、友達とか家族のように常に一緒では勿論なくて。ライブのMCだったり、ブログやツイッターへの書き込みでしか、言葉を伝えることってできないわけじゃないですか。そこで自分じゃない言葉を使ってしまうのは、違うかなと。ファンの皆さんとは、揺るぎない信頼関係を作っていきたいとずっと思っているので、そこはこれからも守るようにしたいですね。

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