『LiVE is Smile Always~Hi! FiVE~』4月20日@NHKホール ライブレポート
LiSAが、デビューから5年で積み重ねてきたもの 「この先もみんなとずっとずっと遊んでたい」
LiSAが、全国ホール&Zeppワンマンツアー『LiVE is Smile Always~Hi! FiVE~』初日公演を4月20日、NHKホールにて開催した。
同ツアーは、ミニアルバム『LUCKY Hi FiVE!』の発売とLiSAのデビュー5周年記念を祝い行われるもの。この日のライブ当日が、アルバムの発売日とLiSAのデビュー5周年記念日ということもあり、会場にはファンのライブへの期待から溢れる熱気が充満していた。
ライブは1曲目からハイライトと呼べる盛り上がりを見せた。下手からゆっくりと登場したLiSAは、会場のファンを見つめながらステージセンターにあるお立ち台に上がり、涙を拭いながら彼女の原点と言える楽曲をアカペラで熱唱。下唇を噛み締めながらワンコーラスを歌いきり、「ようこそ! 『LiVE is Smile Always~Hi! FiVE~』へ! 5周年始めるよ! 最高に楽しんでいきましょう! ピース!」とファンに呼びかけると、会場は興奮の坩堝と化す。序盤のあまりの盛り上がりに、LiSAは「なんか、いっぱい喋ろうと思ってたのに、もういいや……」と心が満たされたことをつぶやくほどだ。
「今日は私にとってすごく特別な日だけど、みんなにとっても特別な日になるように最強のステージを用意してるから、期待しかしないでね!」と力強くファンに宣誓すると、ライブ定番曲からアッパーチューン、情感たっぷりに歌い上げるバラードまで、LiSAの5年間を総括するような楽曲群を披露した。
セットリストは『LUCKY Hi FiVE!』収録曲を中心としたものでもある。アルバムリード曲の「Hi FiVE!」は、おなじみの田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)作曲、「Psychedelic Drive」は横山直弘(感覚ピエロ)、「She」はPABLO a.k.a. WTF!?がそれぞれ手がけ、ロック色の強い、疾走感のある楽曲が並ぶ作品だ。先述した楽曲やアルバム収録曲「終わらない冒険」では、LiSAのよりパワフルかつ高度な歌声を聴くことができたが、それはもちろんライブでも健在であり、彼女の“5年間”を歌声からも感じ取ることができた。
アルバム発売当日ということもあり、定番曲に比べ新曲のリアクションに戸惑うファンに対してLiSAは、それらの楽曲を「これからみんなと一緒に育てていく曲たち」と話した。LiSAはファンに話しかけることが多い。そして、ファンと会話すること、ライブすることを“遊ぶ”と例える。LiSAはこの日、ワンマンライブが昨年末に開催した幕張メッセ公演以来と話した後、ファンに対して「Twitterとかで繋がってるけど、遠距離している恋人みたいな気持ちなの。記念日を覚えててくれる恋人ってどうよ!」と嬉しそうに話していた。さらに、LiSAは「今日どんな言葉を伝えたらみんなにお返しができるんだろうっていうのをすごく考えました。今日はデビューしてからちょうど5年。特別な日なので、過去の話とその先の話は後々していけばいいかなって……。でも、この先もみんなとずっとずっと遊んでたいなと思ってます」と述べた後、11月26日、27日に横浜アリーナにて『LiVE is Smile Always~NEVER ENDiNG GLORY~』を開催することを発表した。会場が、LiSAのアナウンスをかき消すほどのファンの歓声に包まれたため、LiSAが再度開催発表の読み上げに挑戦。しかし、ファンは1度目にも増してLiSAの発表に被せるように歓声をあげ、LiSAが「もういいよ!」と笑いながらファンに対しツッコミを入れる一幕もあった。これもファンと“遊ぶ”ということだろう。
横浜アリーナ公演は、『LiVE is Smile Always~Hi! FiVE~』のホールツアー、Zeppツアー、さらに夏のロックフェスやアニソンフェス、海外でのイベント出演を経て行われる。LiSAは、公演の最後に「毎日毎日の積み重ねがこの5周年です。そして、ここから始まる一歩一歩を私たちがツアーをしていろんな場所に届けてきます」と挨拶した。約半年以上も先の公演であるが、幾多の公演を経験して更に成長した彼女を見ることができるはず。“期待しかしない”でおこう。
(文=渡辺彰浩/撮影=hajime kamiiisaka)
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