ハードコアパンクバンド・DEATH SIDE、熱狂のNY公演をボーカルISHIYAがセルフレポート

DEATH SIDE NY公演をレポート

 ライブ当日、時差ボケで睡眠不足のまま起き出し、ギターの到着の確認をするが、月曜になるとのこと。ギタリストの2人には不安要素だが、バックアップギターを用意してくれているとのことなので、会場に向かう。会場のLe Poisson rougeは、マンハッタン南部のソーホー地区のあたりで、普段はパンクスなど集まらない場所のようだ。古くはボブ・ディランやヴィレッジ・ピープルなどがライブをやっていたクラブで、今ではイギー・ポップやパティ・スミスなどがライブを行なっている。

 会場の広さは、700人収容というだけあってかなり広めのつくりだ。非常に観やすいつくりになっていて、併設されたバーも広く、会場内にもバーコーナーがある大きなクラブだ。ここに2日間、DEATH SIDEを目当てに観客が押し寄せるかと思うと気合いも入ってくる。バックアップギターも何本かある中から選べたようで、良いギターが借りられたようだ。ギタリストの2人も気持ちを切り替えてくれ、やっとライブの準備が整った。サウンドチェックも問題なく終了し、あとはスタッフ、エンジニアを含めた会場にいる人間全員にDEATH SIDEを、CHELSEAを、日本のハードコアを伝えるだけだ。

 このLe Poisson rougeというクラブは、さすがビッグバンドがやっているクラブだけあって、セキュリティがしっかりしていた。会場入口から客席と楽屋の入口がわかれており、楽屋入口や会場外などにも屈強な黒人セキュリティが配備されている。荷物の心配もなく、ワケのわからない客が楽屋に出入りして煩わされることもなく、ライブに集中できる環境だった。

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外スケジュール看板。両日共にSOLD OUTの文字がある。

 会場外のスケジュールの看板には2日間ともSOLD OUTと書いてあるのだが、それでもチケットを求めに来る観客がいるようで、さらにSOLD OUTの貼紙がされた。会場にはまだ時間があるというのに観客が集まり始め、入口付近では、何人ものセキュリティが忙しそうにしている。会場内が全面禁煙のためタバコは外で吸うのだが、ライブ中も終わったあとも、タバコを吸う人間、並ぶ客、一般通行人と、会場の前はかなり混沌としていた。こういった光景は、日本のライブハウスでも見かけるが、ゼキュリティの人数と厳しさには雲泥の差があるように感じる。有無を言わせぬ毅然としたセキュリティの態度には、プロフェッショナルが溢れ出ていた。そうでないとマンハッタンでのセキュリティは勤まらないのだろう。

 オールエイジSHOWであるためかどうかわからないが、ライブのスタートはPM6時と早いが、ライブ序盤に出演するバンドは短めのセットで、恐らく15分ほどの演奏時間だったのではないだろうか。ライブも中盤に差しかかる時間になると、会場内も観客が溢れ出してきてバーで酒を買うのにも一苦労するような状態になってきた。ギタリストの2人は緊張感も高まってきていて、MUKA-CHINとYOUの2人もいい感じで気合いがみなぎっている。

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初日のステージ。

 鉄アレイのメンバーも来てくれ、いよいよライブが始まった。ステージに上がるともの凄い歓声で迎えていれてくれた。会場の隅々まで見渡すと超満員の状態の観客が全員こちらを見ている。1曲目からステージダイビングの嵐で、客席もあり得ないぐらいの盛り上がりを見せる。

 ギタリストの2人も、緊張はしていたがかなりの素晴らしい演奏とパフォーマンスを見せてくれ、ベースとドラムのリズム隊もガッチリとかみ合い最高の演奏ができたのではないだろうか。筆者もしっかりと想いを伝えることができた手応えがあった。

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初日の最後の曲で客席で歌い戻る筆者。

 最後の曲が終わっても歓声は止まず、アンコールが鳴り響き、アンコールの曲を始めた途端に、またもやステージダイビングの嵐。アンコールの最後の曲が終わっても歓声は鳴り止まず、再度のアンコールがかかっていたが、この日はこれで終了。本番ではステージ上の音も素晴らしく、観ていた観客に後から聞いた話では、後半からは外の音もかなり良くなってきて、素晴らしいライブだったと言ってくれた。終わった後にも色んな観客から様々な嬉しい反応があり、大成功に終わった初日のライブだった。

Death Side - Live at Le Poisson Rouge, NYC 04/16/16

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