石橋凌が辿り着いた“Neo Retro Music”という境地 全国ツアー東京公演をレポート

石橋凌、全国ツアー東京公演レポート

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 今ツアーで心拍数が高まった瞬間が、“懐かしい曲を”と歌われた「ラ・ラの女」だ。ライブにおけるオーディエンスの心をひとつにまとめ熱狂を生み出したナンバー。ARB時代のポップな人気曲が数十年ぶりに、まるでタイムマシンに乗ったかのように目の前で繰り広げられた奇跡の瞬間。ざわめきは一瞬のうちに喜びへと変わった。これもまた音楽が持つチカラだ。

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1%の想いが もしもお前にあるなら 今すぐとんで会いにゆく
「ラ・ラの女」より
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 本編ラスト、自身を鼓舞するために2010年に書いたというソロの名曲バラード「我がプレッジ」が歌われた。こちらも期せずして、2011年に起きた震災で傷ついた人々を励ますことにもなった名曲だ。手を差し伸べすかのように魂をこめて熱唱する姿が忘れられない。

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ONE MORE TIME,ONE MORE CHANCE
もう一度誰かを愛そう
ONE MORE TIME,ONE MORE CHANCE
もう一度静かに祈ろう
「我がプレッジ」より
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 アンコールのMCで“自分にとって恩人がふたりいます”と語り出した石橋凌は、デビューのきっかけを作ってくれた福岡KBCラジオのディレクター岸川均、俳優のきっかけを作ってくれた松田優作の名を挙げ「縁のブルース」を披露した。続けて、自身が敬愛するカバー曲「What's a wonderful world」、「Route66」でオーディエンスをさらに盛り上げ魅了していく。

 3度目のアンコールで登場した石橋凌は“最近、国内がまたきな臭い匂いで強くなってきてます。みんなと一緒にこの歌を歌い続けていきたいと思います”と宣言して「ピカドンの詩」を熱演。全25曲、成熟を感じさせる大人なサウンドを繰り広げながらも、攻めまくった2時間半を超える熱いステージだった。

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 石橋凌は、今年の7月20日に60歳を迎えるという。そこで、誕生日当日に“自分が尊敬する好きなミュージシャンと一緒に、魂が乱舞するカーニバルのような一夜にしたいと思っています”と、アニバーサリー・ライブ『石橋凌 Birthday Live SOULFUL CARNIVAL』をおこなうことを発表した。バンド時代からソロ活動を経て辿り着いたひとつのメモリアルなモメント。間違いなく本物を届けてくれる石橋凌の歌が、より多くのひとに伝わっていくことを願いたい。

(文=ふくりゅう(音楽コンシェルジュ/Twitter))

<セットリスト>
2016年3月6日『Neo Retro Music 2016』@六本木 EX THEATER

1. RESPECT THE NIGHT
2. Just a 16
3. PALL MALLに火をつけて
MC
4. 乾いた花
5. HEAVY DAYS 〜 「A HARD DAYS NIGHT」
6. TOKYO SHUFFLE
MC
7. ROCK’N ROSE
8. 最果て
MC
9. 形見のフォト
10. ヨロコビノウタを!
11. 駄馬のいななき
12. 抵抗の詩
13. Daddy’s shoes
MC
14. ラ・ラの女
15. Dear My Soulmate
16. Do it Boy
MC
17. 喝!
MC
18. 我がプレッジ

EN1. R&R AIR MAIL
EN2. MOJO WORKING
MC
EN3. 縁のブルース
EN4. What a Wonderful World
EN5. Route 66
MC
EN6. パブでの出来事
EN7. ピカドンの詩

<ライブ情報>
石橋凌 Birthday Live『SOULFUL CARNIVAL』
日時:7月20日(水) 17時30分開場/18時30分開演
会場:赤坂BLITZ 
出演:石橋凌、他
料金:1Fスタンディング 8,000円 / 2F指定席 8,500円
※料金は全て税込・別途1ドリンクが必要となります
http://www.kyodotokyo.com/ryo_60th

石橋凌 オフィシャルサイト
http://ryoishibashi.com/

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