KAT-TUN、小休止後はより個性的なグループに? 異例の“充電期間”の意味を再考する
KAT-TUNが2016年5月1日をもって“充電期間”に入る。
同グループは、すでに3月末で田口淳之介が事務所を退所することが決定しており、3月22日には初のベストアルバム『KAT-TUN 10TH ANNIVERSARY BEST “10Ks!”』をリリース、4月から亀梨和也、上田竜也、中丸雄一の3名体制で、デビュー10周年を記念した全国ツアー『KAT-TUN 10TH ANNIVERSARY LIVE TOUR “10Ks!”』を行う予定だ。。以降はソロ活動に力を注ぎ、機が熟したタイミングで再集合する旨を発表している。
ジャニーズに詳しい識者は、今回の“充電宣言”をどう捉えているのだろうか。『中居正広という生き方』や『紅白歌合戦と日本人』の著者で、リアルサウンドで『ジャニーズとテレビ史』を連載に持つ社会学者の太田省一氏は、彼らの発表についてこうコメントした。
「近年のジャニーズは、チームワークやまとまりの良さを打ち出したグループが多い中、KAT-TUNは不良的なイメージで注目され、それぞれの個性の強いグループとして存在感を発揮してきました。ただそうしたこともあってか、彼らの歴史は苦難の連続で、これまでも個人としての生き方を尊重した結果、メンバーが次々と脱退しています。しかし、“充電”というかたちは初めての例のように思いますので驚いていますが、これは同時に自分たちのホームであるグループ活動へ『必ず戻ってくる』という意思表明だといえるでしょう」
“充電期間”という言い回しがこれまでのグループになかったことについて、太田氏はジャニーズによる「実験」なのではと推察する。
「個性の強いグループだからこそ、いまのジャニーズ全体の状況を見たうえで、実験的に休ませているという見方もあります。アイドルは男女問わず、グループとしての活動期間が長期化する時代になり、そのなかでグループが歩む道も多種多様、一度休むことが必要になってくるグループもあって当然とも考えられるのでは。本人たちも1,2年とはっきり具体的な期間を口にしていますし、これからの活動のために小休息するという風に、ポジティブにとらえることができると思います」
また、田口の脱退は従来の脱退劇とは少し雰囲気が違うものであり、その背景には彼らの冠番組が影響していると太田氏は指摘した。
「彼らの冠番組である『KAT-TUNの世界一タメになる旅!』(TBS系)では、スタッフやメンバーが度々田口の脱退をネタにし、オープンな笑いを取っています。ここまで明るさのある脱退劇はグループにとってもファンにとっても初めてで、もちろん寂しさもある半面、その先の充電期間を含めて前向きな気持ちにさせてくれるものがあります」