SKY-HIはトリックスターから本物のスターへ デビューから最新作までのプロセスを辿る

SKY-HI / Enter The Dungeon

 般若、R−指定、漢 a.k.a GAMI、サイプレス上野、T-PABLOWという今のシーンを代表するラッパーたちが「モンスター」として登場し、挑戦者たちと言葉のバトルを繰り広げる『フリースタイルダンジョン』。そのエンディングテーマにSKY-HIの楽曲が選ばれたということも、彼の持つ“華”と“本気度”を象徴するエピソードと言っていいだろう。

 2ndアルバム『カタルシス』も、かなり聴き応えある一枚だ。前作アルバム『TRICKSTER』にはエンタテイメント精神あふれるアルバムだったが、よりシリアスな感触。亡くなった友人のことを歌った「LUCE」や、KREVAが提供したスリリングなトラックの上で高速ラップが駆け抜ける「As a Sugar」など、彼の真摯で熱い思いが伝わってくる。

 トリックスターから本物のスターへ。SKY-HIは、今、そういう転機に立っているのではないかと思っている。

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

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