MINMIが語る、アーティストとしてのエゴの大切さ「意見を言ってみるのは、一歩前に進むこと」

「隠しているところに、伝えられることがある」

——その意識が新作にも繋がっていくと思うのですが、「自我」という意味をもつ『EGO』というタイトルに、とても強い意志を感じました。

MINMI:自分の我を突き通すーエゴを出すーことって、すごくわがままに見えちゃいそうだし、他者を傷つけそうだし、私に限らずみんな難しいことだと思うんですよ。でも、エゴとエゴを出し合ってこそ、分かり合える人間関係の方が深かったりするわけで、クリエイティブなものを産み出すときにも必要だったりする。だから、エゴも大切な要素の一つだなって今になって言えると思うんです。

——とくに、今の時代はSNSも発達しすぎて友達同士でも自分のエゴを出せない女の子も多そうですよね。自分のエゴを解放しきれない、というか。

MINMI:そういう主張を表に出すことが怖いんじゃないですかね、何か。でも、逆にこの時代だからこそ、意見を主張して「あの子キツいな、わがままだな」と思われてたとしても、逆に「あの子って、自分の気持ちを素直に言えて素敵だね」と思ってくれる人も現れる時代だと思うんですよ。タレントさんとかでも、すごく嫌われてバッシングされている方もいると思うけど、その裏で、それだけバッシングされても自分を貫いていることによって、すごく共感を呼んで、実はじわじわと人気が出る人だっているじゃないですか。間違っていたとしても、その意見を言ってみるということは、一歩前に進むこと。だから、間違っていても「一回、言ってみ!」っていう。間違えてバッシングされても、その裏で「君には素晴らしい勇気があるよ」って言ってくれる人がいるはずだから。そういう意味で、逆に今はエゴを主張していい時代になってきているのかなって思います。

——なるほど。でも、その一歩がなかなか踏み出せなかったり……。

MINMI:やっぱり、みんな既存のところにハマりたがるんじゃないですかね。既存の枠を一歩抜け出すのにすごく勇気がいる。でも私は、アーティストとして勇気を持ってそこを出ることが宿命だと感じているんですけど。「言っていいのかな、これ…」みたいなことをポンっと言っちゃう、とか。

——MINMIさんご自身も、身近な方が本当の自分を出せずに踏みとどまっているな、と感じることはありますか?

MINMI:感じます、感じます。例えば、ママになったのに、ママっていうことを隠してアーティスト活動を続ける人がいたり、ママの部分を出さないことがプラスの方針と考えていると思うんだけど、実はそこの隠しているところに、もっと本当に伝えられることがあったりすると思うんです。「ママなのにクラブに行っていると、世間の主婦の方たちから“あの人、子供どうしてるんだろう”って言われるのが怖いから、私は夜遊んでいる情報はSNSに載せないの」みたいな声は実際に聞きます。私はあえてそこをもっとぶっ込む…というか、自分が伝えたいメッセージじゃないんです。例えばママだったら、みんなそれぞれライフスタイルは違うけど、子供を本当に愛しているっていう核の部分が大事で。いつどこで遊ぶとか、世間からどう見られるかということよりも、「(子供を)一生懸命愛しているんだよ」って気持ちを大事にすることが、ママとして本質的に大事なんじゃないかなと。そこを守っていたら大丈夫だよ、って思いますけどね。

——なるほど。

MINMI:私も、実際は(ツイッターで)つぶやく内容とかすごく考えちゃいますし、みんなそうだと思いますけどね。私も「これは間違っているから言わないでおこう」と思うのではなくて、今回のアルバムも「迷っているならとりあえず出そう、出してみよう」という感じで発表したんです。

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