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猪又孝の『ラブソング妄想分析』 第4回:ななみ&あいみょん

新世代シンガー・あいみょんとななみの歌詞に注目 2人のラブソングに見る恋愛観の違いとは?

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150408_am_j.jpgあいみょん『tamago』(ラストラム)

 ちなみに、あいみょんは同作収録の「幸せになりたい」でも、好きな人に対して《私のために命を投げ出せるの》《私のためなら針を飲める?》と詰め寄っている。が、この歌では《私だって誰かに愛されたいの 尽くされたいの》と弱気な一面も吐露。《幸せばかりの恋はない》とわかっているし、《追いかけて すがりついて 惨めだって思う》けど、《それでも恋はやめない》と歌っている。この曲から垣間見えるのは、恋愛の痛みは知っているし、だから失敗しないように強がってしまうが、とにかく素敵な恋がしたいんだという、恋愛に対するワガママなくらいの執着心。「貴方解剖純愛歌~死ね~」も身勝手というか自己中な歌だし、あいみょんの曲には、恋に恋してると言われる10代の恋愛観が伺える。

 一方、ななみが求めるのは愛。アルバム『ななみ』には自身がこれまでに経験したさまざまな愛のカタチを詰め込んだという。「I live for love」では《触れられるたびに何かを恐れオオカミのように威嚇して》いた自分が、誰かに求められ、誰かを求むことで生まれる愛情に気づいたときの心境を描写。《自身の為だけに泣いたり笑ったりすることは嫌なほど満喫してきた》《だからこそ それ以上の孤独がない事を知っているから そばにいたい》と歌う。

 そして、「愛してる」では、相手への執着=愛じゃないと思い知ったことを描写。別れた直後に元カレが今何やってるかを知りたくてSNSをチェックした経験がある人は多いかもしれないが、ななみはそういう《身勝手な気持ちは『愛』ではないでしょう》と分析する。かつての日々が思い出に変わるほど時間が経過し、《しがみついてた想いを手放》せて《離れても見守れるほどに》なった《この穏やかな気持ちを『愛』と呼ぶのでしょう》と結ぶ。

 あいみょん19歳、ななみ21歳。10代と20代では、たった二歳差でもこんなに恋愛観に違いがあるのかと思い知らされた今回の二人の曲。ちなみに20代以上の女性に、恋人に求める条件の変化について調査したネットアンケートでは、「10代は愛されたい。20代は精神的に満たされたい」「10代は一緒にいて楽しい人、尽くしたいと思える人。20代は安心感ある人、適度な距離を保っていられる人」という二人の違いと重なる意見が。心をすっぴんにして恋愛観を綴る二人が今後どんなラブソングを聴かせてくれるのか、その変化と成長が楽しみだ。

■猪又 孝
音楽ライター、ときどき編集者。日本のソウル/R&B/ヒップホップを中心に執筆しつつ、カワイイ&カッコイイ女の子もダイスキ。音楽サイトMUSICSHELFで「猪又孝のvoice and beats」を連載中。三浦大知のアーティストブック『SHOW TIME!!』ではメインライターを担当。

      

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