H ZETTRIOが考える“音質”と“楽しさ”の関係「良い音を出し、そこからはみ出す意識も持つ」

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「基本的に良い音を出すという意識と、あとちょっとはみ出す意識」(H ZETT M)

――『ソウル・ジャズ・フェスティバル』の余韻を引きずりつつ、6月25日にはミューザ川崎シンフォニーホールで超高音質公開レコーディングライブ『H ZETTRIO LIVE LUXURY ~素晴らしきアンサンブルの夕べ~』が行われます。この会場を選んだ理由は何でしょうか。

H ZETT M:じつはスイスの『モントルー・ジャズ・フェスティバル』がキッカケなんです。『モントルー・ジャズ・フェスティバルin川崎』というイベントをやるくらい、川崎市と非常に関係がありまして。川崎市の関係者が現地で我々のステージを観てて、そこからお話を頂きました。KOUさんがモントルーの往復飛行機で隣の席になった方が川崎市のお偉い方だったらしく。その方も推薦してくれてたようです。

H ZETT NIRE:下見に行った時にも、KOUさんだけ「お待ちしていました!」みたいな感じになって。KOUさんの乗っていた車だけ遅れていたんですけど、「ドラムの方まだですか」って向こうの人が(笑)。

H ZETT KOU:30秒ぐらい抱き合ったままでしたね(笑)。

H ZETT M:ホールの方も、普段クラシックやジャズで大人に主な会場なので若い人達にも観て頂くキッカケになってほしいという気持ちがあったようです。こちらとしても広い世代に受け入れて頂きたい音楽をやりたいと思ってたので「ぜひ!」ということで。

――ミューザ川崎シンフォニーホールは普段、クラシックの演奏を主に実施しているホールですが、下見で実際に音出しはしてみましたか?

H ZETT M:しました。ピアノだと、マイクを立てなくてもポンッと押すだけで、一番後ろの席までフッ、と届くんです。

H ZETT KOU:音の通りもそうなんですけど、会場の客席の作りも、一番後ろでも遠すぎないっていうか。うまく計算されてそれぞれに届くように出来ている印象を受けました。「ワーッ」というより、「ダッ」と響くというか…。しっかり鳴ってくれる感じですね。

――ほぼすべての客席に均等に届く感じというか。

H ZETT NIRE:はい。ホールって場所によってはモワモワしたりするんですけどね。あとはビジュアルとサウンドがすごく一致しているというか。きっといい音がするんだろうなってイメージした音がちゃんと出てくるというか。ちゃんと計算して作ってあるんだなと思って。

H ZETT KOU:当日はドラムの音だって、たぶん地音でそのまま行くと思う。ベースもだよね?

H ZETT NIRE:そうですね、アンプの地音でいける。

――ライブに関しては、クラウドファンディングで支援を募り、ライブ音源のプレゼントも行う予定ですね。

H ZETT M:ケーブルもホールも良いのはすでにわかっていますから、あとは我々の演奏にかかっているわけで…(笑)。

H ZETT KOU:今回はレコーディングでもお世話になっているエンジニアの三浦(瑞生)さんにもお願いしていますし、音質に関しては間違いないですね。僕はドラムがちょっとうるさいので、他の人のかぶりを計算しなくちゃいけません。

――音が響きやすいところだと、冒頭に話していた「繊細にやる」ことがより重要になってきそうですね。ライブハウス、ホール、フェス、それぞれどういう風に違いをつけていくのでしょうか。

H ZETT M:基本的に良い音を出すという意識と、あとちょっとはみ出す意識を持っておくというのは、共通していて一緒だと思います。でも、場所によってネクタイを強く締めたり、緩めたりみたいな、その場に溶け込む何かっていうのは必要でしょうね。「ライブハウスではこういう音を出して~」というよりも、基本的には一緒で、その場の空気を感じて、表現することが大事になりそうです。

――空気とセッションするような感覚でしょうか。

H ZETT KOU:そうですね。ドラムプレイにおいては、ブレイクをどう感じさせるか。あとはどれだけ動きや唸り声もそうだし、叩いた時に出るスペースも、ライブハウスとホールだとまた違うので、そのなかでどう見せていくかですね。

H ZETT NIRE:自分で演奏していて感じるのは、2人は地の利を活かしているなと。KOUさんは前が空いていたら出てきて床を叩いたりするし、H ZETT Mさんは、ショルダーキーボードで自由に動き回るし。僕はそれを見習いたいなと思っているんですけど、なかなか動くのは難しいんですよね。あと、「ここはこうだから、こう」と、やる前に考えることはないですね。今日はホールだから、ライブだから、フェスだからと意識することはないし、なにか考えていたとしても、出て行ったら絶対に印象は変わる。

――川崎のライブ後も、活動はずっと続いていきますね。現在も新作の制作をしているということですが、どういった作品にしていきたいですか。

H ZETT M:今後も血が沸騰するようなものを基本として、やっていきたいですね。もうハッキリとは見えているんですけど、すごいものじゃなかったら出さないという気持ちです。

H ZETT NIRE:でも、川崎でのライブでは、その曲をライブで演奏できるかも。あとは「夏」というキーワードも関連してくるかも…。

――夏で「楽しい」となるとサンバ調などでしょうか?

H ZETT NIRE:いいですね、それ、頂きます(笑)。さっき「Smile」で訊かれたときに答えましたが、感情のシンクロをメンバー間だけじゃなくてお客さんとも取れるような曲をもっと作りたい。そしてその曲をもっとライブでやっていきたいですね。

H ZETT KOU:僕も、基本的に楽しく、ハッピーな感じで行ければいいなと思っています。色んな所で活動できればいいなと思っていますし、ジャンルも得意なものを個々で持ちつつ、「どんなところでもできます! なんでも来い!」という構えで。

H ZETT NIRE:そうですね。韓国に行ったばかりですけど、海外のお客さんに向けて演奏するのは自分たちの原点というか、「話している言葉も違うのに、音楽で分かり合えちゃうんじゃないか」と思わせてくれるし、ワクワクする。だからもっと海外で演奏してみたいですね。

(取材・文=中村拓海/写真=斎藤 大嗣)

■ライブ情報
<超高音質公開レコーディングを実施!>
『H ZETTRIO LIVE LUXURY 〜 素晴らしきアンサンブルの夕べ〜』
日時:6月25日(木) OPEN 18:30/START 19:30
場所:ミューザ川崎シンフォニーホール
料金:全席自由 ¥3,500(税込) ※未就学児入場不可
INFO:ミューザ川崎シンフォニーホール 044-520-0200

『SAPPORO CITY JAZZ Ezo Groove2015(chazz/H ZETTRIO)』
日時:7月18日(土) 昼公演(chazz)OPEN 12:30/START 14:00 夜公演(H ZETTRIO)OPEN 17:30/START 19:00
会場:SAPPORO MUSIC TENT
INFO:サッポロ・シティ・ジャズ実行委員会 011-592-4125

『境港妖怪ジャズフェスティバル』
日時:7月25日(土) OPEN 15:30/START 16:30
会場:JR境港駅前駐車場特設ステージ(鳥取県境港市大正町)
INFO みなと祭前夜祭企画実施本部事務局 0859-47-1068

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『DYNAMIC! Tour 2015」Billboard Live 2015』

■リリース情報
H ZETTRIO Amazon限定『DYNAMIC! Tour 2015」Billboard Live 2015』
発売中
価格:¥2,800(tax in)

<収録内容>
1. PARTY TIME
2. Something Special
3. Kids song
4. 黄昏ウィークエンド
5. Get Happy!
6. Trio,Trio,Trio!!!
7. パノラマビュー
8. 炎のランニング
9. みんなのチカラ
10. Beautiful Flight
11. 新しいチカラ(Bonus Track)

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「Trio,Trio,Trio」
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「Beautiful Flight」
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「Smile」

より生の音を体感できる、超ハイレゾリューション録音3連続配信
「Trio,Trio,Trio」
「Beautiful Flight」
「Smile」
絶賛配信中

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