H ZETTRIOが考える“音質”と“楽しさ”の関係「良い音を出し、そこからはみ出す意識も持つ」

20150601-hzt7.JPG
H ZETT KOU。

「もう20年近くやっているような感覚で『ガンダム』でいうところの“ニュータイプ”に近い(笑)」(H ZETT KOU)

――今回配信でリリースした「Trio,Trio,Trio!!!」「Beautiful Flight」「Smile」の3曲について訊かせてください。まず「Trio,Trio,Trio!!!」は、自己紹介的なラップを繰り広げる楽曲で、インストゥメンタルだと思い込んでいたので不意を突かれました。

H ZETT M:「一人が一人を紹介していくラップみたいな曲があれば面白いのにな」と思って作りました。3人編成はフットワークが軽いですし、やりたいと思ったらすぐ行動に移せるんです。まずは自己紹介的な曲を作ろう…そんな想いがあって生まれた楽曲です。

H ZETT KOU:H ZETTRIOって、結成してからまだ数年なんですけど、もう20年近くやっているような感覚で、『機動戦士ガンダム』でいうところの“ニュータイプ”に近い(笑)。第六感的に伝わってくるのを感じます。

H ZETT NIRE:KOUさんが『ガンダム』の例え(笑)。そういう引き出しも持ってたんですね。

(一同笑)

H ZETT NIRE:最初こそラップに対して「大変だろうし、精神的な負担が意外と高いのかも」と思っていたんですけど、いざやってみたら「自由になっちゃってもいいのかな」と感じました。3人でやっていくうえで「これはちょっと無理だよね、これはダメだよね」みたいなのは無い方がいいと思っていて、「この3人だったら、やっちゃって楽しいことなら、何でもやっちゃえばいいよ」って感じですね。

――それがさっき話していた「楽しい」に繋がってくるんでしょうね。レコーディングは観客が前に居ない分、どうやって楽しさを表現していますか?

H ZETT M:レコーディングでの「楽しい」は、笑うとかじゃなく、血がドクドクする、興奮するような感覚ですね。アドレナリンが出るというか。プレイヤーとしてワクワクすることで楽しさを表現できているんだと思います。

――続いて「Beautiful Flight」は、今回配信リリースした3曲の中でも、一番ポップで突き抜けている楽曲ですね。間奏や終盤にプログレッシブなフレーズ入れ込みつつ、抜けの良いサビが印象的でした。

H ZETT M:結果的にタイトルを含めて“飛んでる感じ”になったんですけど、音の楽しさと音の強さ、我々も聴き手もこの曲を体感したら雄大な景色が見れる。 3人で出来ることを突き詰めたら、ここまで強度のある曲が出来ました。

H ZETT KOU:僕の鼻ってシルバーなんですけど、この曲はシルバーバック(ゴリラの一種)…というより『スター・ウォーズ』のチューバッカ的なプレイングを意識しました(笑)。野性的な、本能で叩いたというか。

H ZETT NIRE:チューバッカは賢いキャラクターですよね(笑)。僕は結構音数が多いんですけど、計算しないで小さく収まらないようにと思って演奏しました。楽曲自体はパワフルさと繊細さの両方を持ち合わせているので、その両方を活かすことを心がけつつ、抜けのあるサビ部分では、本当に“飛んでいるような感じ”を表現するように意識しました。

――3曲目、高速シャッフルビートが楽しさを演出する『Smile』はどうでしょうか。

H ZETT M:お祭り気分といいますか、どんな時でも前向きになろう。という思いが表れた曲ですね。さっきのKOUさんじゃないですけど、野性的な面を忘れたら小さくまとまってしまうので、ちょっとはみ出すぐらいの勢いを意識して取り組みました。

H ZETT KOU:これは韓国の『ソウル・ジャズ・フェスティバル』でも演奏したんですけど、一体感と温かい雰囲気がしっかり生まれて、お客さんがH ZETTRIO4人目のメンバーとして反応してくれたように思えました。

H ZETT NIRE:みんな手拍子で応えてくれて、良い空気感になりましたね。

――いまライブでの反応について語ってもらいましたが、他2曲はライブでどういう反応を受けたのでしょうか?

H ZETT NIRE:「Trio,Trio,Trio!!!」を初めて演奏したのは、全国ツアーの仙台公演だったんですけど、爆発的な反応がありまして(笑)。曲の最初に「トリオ、トリオ、トリオー!」って言うところで、バカ受けしました(笑)。

H ZETT KOU:その時はまだ発売されていなかったから。さっき言ってくれたことじゃないですけど、今までの曲のなかでも一番言葉が入ってるので、不意を突かれた部分もあるんでしょうね。良い歳した大人が(笑)。

H ZETT NIRE:こちらとしては嬉しいというか「してやったり!」という気持ちでした。

H ZETT M:そうですね。やっぱり曲っていうのは、人前で演奏して初めて完成するんだなと改めて思わされました。やればやるだけ曲が成長していきますし、馴染むことによって「ここが良いんだな」とわかる。

――ちなみに『ソウル・ジャズ・フェスティバル』での手ごたえはどうでしたか。(参考:H ZETTRIOが韓国ジャズフェスに登場 笑って踊れるステージングで会場を沸かせる

H ZETT KOU:アツかったですね。仁川空港からソウルに行ったとき、北海道に緯度が近いから寒いのかなと思ったんですけど、すごく暑くて。でも、夜はシベリアの寒気が入ってきて、結構寒い。

H ZETT NIRE:気温の話ですか(笑)。お客さんはみんな曲を聴いてちゃんと知ってくれているし、熱狂的な反応でした。僕はヤキモキしながら、ハングルでMCするか、英語でMCするか迷ったあげく、英語でMCしたんですけど、客席から「カッコイイー!」って声掛けられて「日本語わかるじゃん!」ってツッコんだりしましたね(笑)。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる