ジミ・ヘンドリックスはいかにして伝説となったか 映画『JIMI:栄光への軌跡』を観る

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 映画は1966年、ニューヨークのチーター・クラブでリンダ・キースに見いだされるところから始まる。このリンダ・キースは、その役のヘイリー・アトウェルの美しさもさることながら、ジミの生涯において重要な役割を果たす。この映画では、ジミと女性との関わりが重要なポイントとして描かれていて、そこが他のジミの映画と異なり、一大ドラマとなった彼の生涯をまるで青春ストーリーの様にも映し出している。もちろん、当時のロックスターの生涯なので、さわやかとはほど遠いが。

 ジミ・ヘンドリックス・エクスペリエンスを結成する際、ジミはベースのノエル・レディングに「出演料は高くない。俺達もオケラさ。でもクールだ。カネはないがクールになれる。ただの文無しよりマシさ」と誘っている。この台詞は、まさにジミのクールさを象徴している一言だろう。その後ジミは、あこがれでもあるクリームのエリック・クラプトンのライブに飛び入り演奏し、クラプトンを圧倒する。そのシーンと、映画後半でビートルズのオープニングアクトで演奏するシーンでは、こんなに挑発的で、楽しく、自信に溢れた男がジミ・ヘンドリックスなんだ!と、そのクールさに心が踊り、ウキウキしてしまう。このジミの心の強さはステージに立つ人間ならば必ず理解できるはずだ。

 恋人との確執、新たな女性との出会いにより、政治運動にも利用されそうになるジミだが、彼の魂はもっと遥かに大きく、愛に溢れた闘争心を持っていた。

「本気で変えたいと思うのか?」

 そう問いかけるジミの精神は、モンタレーで発したロック史上に残る名言「愛国心を持つなら地球に持て。魂を国家に管理させるな!」に集約されているのではないだろうか? 彼の自由な魂は誰にも、何にも縛られること無く羽ばたいていく。

 魂に反逆と愛を持つ人間ならば、ジミ・ヘンドリックスの魂に、必ず共鳴するだろう。4月11日公開『JIMI:栄光への軌跡』。真実のジミ・ヘンドリックスを知りたいならば、映画館へ足を運ぶしかない。

■ISHIYA
アンダーグラウンドシーンやカウンターカルチャーに精通し、バンド活動歴30年の経験を活かした執筆を寄稿。1987年よりBANDのツアーで日本国内を廻り続け、2004年以降はツアーの拠点を海外に移行し、アメリカ、オーストラリアツアーを行っている。今後は東南アジア、ヨーロッパでもツアー予定。音楽の他に映画、不動産も手がけるフリーライター。
FORWARD VOCALIST ex.DEATH SIDE VOCALIST

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